真空部品

真空部品とは

真空部品とは、真空装置や真空システムを構成する各種機器や部品の総称で、真空環境を作り出し維持するために使用される機械要素です。

真空部品には高い気密性と耐久性が求められるため、材質選定と表面処理が重要です。主にステンレス鋼やアルミニウム合金などの金属材料が使用され、表面処理により気体放出を抑制する工夫が施されています。また真空部品の接続部には、高い気密性を確保するためにシールやガスケットが使用されます。これらのシール材には、使用環境や要求される真空度に応じて金属ガスケットやゴム製Oリングなどが選択されます。

真空システムの信頼性は個々の部品の性能に大きく依存するため、真空部品の選定には慎重な検討が必要です。特に超高真空領域では部品からの気体放出が真空度に大きな影響を与えるため、材質や表面処理、接続方法などを総合的に考慮する必要があります。

真空部品の使用用途

1. 真空ポンプシステム

真空ポンプシステムでは、各種真空ポンプをはじめ、バルブや真空計、フランジなどの真空部品が使用されます。真空バルブは気体の流れを制御し、真空計は系内の圧力を測定します。またフランジは配管や機器の接続に使用され、これらの部品が一体となって効率的な真空排気が実現可能です。

2. 測定分析機器

電子顕微鏡や質量分析装置などの分析機器では、試料室や検出器部分に様々な真空部品が使用されます。真空チャンバーや真空導入器、真空シールなどの部品により、測定に必要な真空環境の維持が可能です。特に高感度な分析を行う機器では、真空部品からの不純物の放出を極限まで抑える必要があります。

3. 成膜装置

薄膜形成装置では、成膜プロセスを安定して行うために多くの真空部品が使用されます。真空チャンバーや各種ポート、シャッター機構などの部品により、成膜に適した真空環境が構築されます。また試料の出し入れを行うためのロードロックシステムにも、専用の真空部品の使用が一般的です。