廃棄物処理施設とは
廃棄物処理施設とは、不要となった廃棄物を適正に処理し環境への負荷を最小限に抑えるために設置される施設です。
廃棄物処理施設の役割は単に廃棄物を処分するだけでなく、公衆衛生の維持、資源の有効活用、環境保全といった側面において社会に欠かせない重要なインフラとしての役割を担っています。廃棄物を適正に処理することで、悪臭や害虫の発生、水質汚染、土壌汚染などのリスクを低減し快適な生活環境を維持することに貢献します。
近年では廃棄物の減量化やリサイクルへの関心が高まっており、廃棄物処理施設は単なる処分場ではなく、資源循環型社会の実現に向けた重要な拠点としても位置付けられています。廃棄物から有用な資源を回収・再利用することで、天然資源の消費抑制や環境負荷の低減に寄与することが期待されています。
廃棄物処理施設の使用用途
廃棄物処理施設は処理する廃棄物の種類や目的に応じて分類されます。処理対象となる廃棄物の種類ごとの役割は以下のとおりです。
1. 一般廃棄物処理施設
一般廃棄物処理施設は家庭から排出される廃棄物を処理する施設で、主に市町村が運営しています。日常生活で発生する生ゴミ、紙くず、プラスチックなどを扱い、焼却施設、粗大ごみ処理施設、埋立処分場などに分かれます。焼却施設では、可燃ごみを高温で燃焼させ容積を減らし無害化するとともに、その熱を発電に活用します。粗大ごみ処理施設では、大型家具や家電を破砕・分別してリサイクル可能な資源を回収し、焼却灰や不燃物は最終的に埋立処分場で処理されます。近年では、生ごみをメタン発酵させてバイオガスを生成しエネルギーとして活用する施設も増えています。
2. 産業廃棄物処理施設
産業廃棄物処理施設は、事業活動から排出される廃棄物を処理する施設です。建設廃材、工場排出の汚泥、医療廃棄物など多岐にわたりそれぞれ適切な処理が求められます。建設廃材の木材やコンクリートは破砕・選別処理後、再生資材として利用され、廃プラスチックは溶融して燃料や再生原料として再利用されます。医療機関からの感染性廃棄物は専用施設で高温焼却処理され、有害物質を含む産業廃棄物は化学処理や焼成処理により無害化・安定化された後それぞれ安全に最終処分されます。