スカルピングとは
スカルピング (英: scalping) とは、機械加工では表面の欠陥等を除去する作業のことです。
粉体工学の分野では粒子群から少量の粗大粒子を除去する操作を指す場合に使われることもあります。この場合のスカルピングは、一般的に異物除去が目的でふるい分けされる操作をいい、選鉱採掘した鉱石群のなかから高品位粒子だけを分ける操作が該当します。
スカルピングの使用用途
スカルピングという名称は、スカルピングカッタという工具として知られています。スカルピングカッタは、金属素材を圧延加工で長尺シートの板材に成形するような場合、その前処理として板材の表面を覆っている酸化層や汚れを除去する目的のために使用されています。
板材を広範囲に連続して行う面削工具をいい、円柱状の本体と本体外周に間隔をおいて、もうけた切れ刃で構成されています。そして、板材を軸線方向に動かすと同時にスカルピングカッタを反対方向に回転させていくことで、板材の面を広く浅く切削していきます。
スカルピングの原理
スカルピングは、板材の表面を薄く削っていく円柱状のスカルピングカッタのほか、ビレット (円柱もしくは管状の素材) の外周を薄く削る加工も行われています。
スカルピング装置は、従来は軸線状に沿ってビレットを移動させ、表面を削り取っていく手法が一般的で、この時使用された装置の本体をローダーと呼び、切れ刃をスカパーと呼ばれていました。この方法は、角度の変えられる2面のローダーを使って行われていましたが、不都合もありローダーの形状が改良された経緯があります。
選鉱のふるい分けとして使われるスカルピングは、粒子の大きさによって分離するもので、その大きさは一般的には100μm以上とされていますが、簡易な方法でもあることが好まれ、改良が加えられた結果、3μmというレベルまで向上しています。この場合のスカルピングは、鉱石の選別となる選鉱で使用されるもので、大きさでふるい分ける操作を指しています。