シーリング材

シーリング材とは

シーリング材

シーリング材とは、建造物の隙間などに充填して、防水性や気密性を保つためのペースト材料です。

大抵はチューブやカートリッジに入れて保管されており、専用のガンに容器を取り付けて該当箇所に塗布後、硬化することで機能を発揮します。シーリング材には一成分系 (事前に全成分を混合してある) 製品と二成分系 (使用時に2つの成分を混錬して使用する) 製品とが存在します。

一成分系には湿気硬化型、乾燥硬化型、又は非硬化型などが存在し、二成分系は混合反応硬化型です。また、原料ポリマーとしてはシリコーンやポリウレタンなどさまざまなものが用いられています。

シーリング材の使用用途

シーリング材は、主に建造物の修理や機密性保持、リフォームなどの際に使用されます。例えば、お風呂やキッチンなどの水まわりにはシリコーン系シーリング材、外壁には変性シリコーン系シーリング材が用いられます。

リフォーム時には、サイディングのひび割れ防止のため、目地にあらかじめシーリング材を充填しておくなどの方法も1つの手です。その他にも、シーリング材はプリント基板部品の固定、コネクタシール、電気器具の絶縁シールなどとしても使用されます。

シーリング材の原理

シーリング材は原料ポリマー、硬化のための添加剤、粘性などの各種物性を調整するための添加剤から構成されます。原料ポリマーとしては、硬化機構などに応じてシリコーン、変性シリコーン、ポリウレタン、アクリルなどさまざまなものが用いられています。

シーリング材の特徴は、原料ポリマーに応じて異なります。例えば、ポリウレタン系の場合は、耐久性が非常に高く、硬化後に弾力が出るのが特徴です。チューブから出した時点では、シーリング材は柔らかいペースト状です。

一成分系製品の場合は空気中の水分に触れたり (湿気硬化型) 、乾燥したり (乾燥硬化型) することで硬化し、二成分系製品の場合は2つのペースト (主剤と硬化剤) を混合することで反応して硬化します。なお、シーリング材の硬化には、以下の3つの段階が存在します。

1. 表面硬化

手で触れても糸を引かなくなる状態です。糸を引かなくなるだけで、表面が完全に固まったわけではありません。

2. 皮膜硬化

表面が完全に固まった状態です。この時点でシーリング材の上に塗装などを行うことが可能となります。

3. 完全硬化

シーリング材の内部まで完全に固まり、強度が出た状態です。

シーリング材の種類

代表的なシーリング材であるシリコーン系、変性シリコーン系、ウレタン系の特徴と施工方法について以下に記載します。施工時は硬化時間を守らないと、失敗する可能性があります。硬化時間はシーリング材の種類によって違うため、注意が必要です。

1. シリコーン系

一般家庭の水回りなどに、最も多く使用されます。耐熱耐寒性に優れ、コストパフォーマンスにも優れます。デメリットは、上から塗装できない点です。

シリコーン系が打ち出されてから、約1時間で0.5mmが表面硬化します。約8時間後には、2mmが皮膜硬化し、約24時間後には、3mmが完全硬化します。

皮膜硬化の段階で水回りの使用は可能です。つまり、コーキングしてから約8時間後にはお風呂やキッチンが使用できます。

2. 変性シリコーン系

屋外などで使用されるシーリング材です。シリコーン系と違い、上から塗装が可能です。

打ち出されてから約2時間後で0.5mmが表面硬化します。約24時間後で2mmが皮膜硬化し、約72時間後には3mmが完全硬化します。

完全硬化までの時間がかかるものの、表面硬化すると水に濡れても心配がありません。また、約1時間後では水性、約12時間後では油性の塗料を上から塗装しても大丈夫です。

水性と油性にここまで時間差があるのは、油性を使用する場合はシリコーン系が70%以上硬化するのが条件であるためです。

3. ウレタン系

ウレタン系は屋外などに使用されるシーリング材です。密着性と弾力性に優れます。紫外線には弱いため、屋外使用の場合、塗装を前提として使用されます。

打ち出されてから約2時間後で0.5mmが表面硬化します。約3日後で2mmが皮膜硬化し、約7日後には3mmが完全硬化します。

こちらは変性シリコーン系よりもさらに長い時間が必要です。しかし、ウレタン系はモルタル外壁やコンクリートのコーキングなど、一般で取り扱うよりも大掛かりな工事現場などで使用されます。

シーリング材のその他情報

余ったシーリング材の保管方法

シーリング材は、できるだけ一度の施工ですべて使い切ることが理想です。しかし、どうしても余ってしまう場合があります。余ってしまったら、まずシーリン材の先端を施工部のサイズに合わせてカットします。

このとき、余る先端部分を捨てずに保管するのがポイントです。施工終了後に、保管した先端部を逆さまにし、ノズルに差し込みます。このとき空気が入ったり、隙間からシーリング材が漏れないよう、しっかり差し込みます。最後に、テープで固定します。ここでも、空気と隙間に気をつけて差し込みます。

シーリング材は空気に触れると、固まる性質をもちます。そのため、空気が入ってしまい次回の施工時に使えないことがないよう、きちんと保管するのが重要です。

参考文献
https://www.sharpchem.co.jp/caulking/Illustrate-the-type-of-coking-agent.html
https://gaiheki-com.com/cms/useful/post-1486/
https://www.sharpchem.co.jp/caulking/features.html
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223000749748/
https://smile-recipe.com/caulking-drying-time
https://www.sharpchem.co.jp/caulking/storage.html

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