業務用ガス乾燥機

監修:株式会社TOSEI

業務用ガス乾燥機とは

業務用ガス乾燥機とは、コインランドリーや各種施設などで使用される衣類用のガス式乾燥機です。

ガスを熱源として用いる衣類用乾燥機は、電気式よりもパワフルで乾燥にかかる時間も短く、効率的にふっくらと柔らかく衣類を乾燥させることができます。高温の温風で除菌効果を期待することも可能です。また、業務用ガス乾燥機は、通常、家庭用ガス乾燥機よりも大型で、より耐久性に優れています。雨、花粉や黄砂などの天候にかかわらず衣類を乾燥させることができます。

業務用ガス乾燥機の使用用途

業務用ガス乾燥機は、コインランドリーの他、衣類の洗濯乾燥が業務において必要となる施設で使用される製品です。

主な使用例には下記のような施設があります。衣類のほか、シーツや毛布、リネンなどの大量の洗濯乾燥が必要となる医療・福祉用途や宿泊施設、大量のタオルの洗濯が必要となる理美容業界、作業着やユニフォームなどの洗濯が必要となる業界で広く使用されています。

  • コインランドリー
  • 医療施設・介護施設・福祉施設
  • ホテルや旅館などの宿泊施設
  • 理容院や美容院
  • 畜産農業
  • 給食センター・食品加工工場
  • 自動車整備工場
  • 学生寮・社員寮

業務用ガス乾燥機の原理

1. 概要

業務用ガス乾燥機は、基本的に都市ガス・プロパンガスの両方に対応しています。ガスを燃焼させることで熱源とし、ドラム型の槽を回転させながら温風を吹き付けることで乾燥を行う仕組みです。強力な温風で繊維が立ち上がるため、ふんわりと柔らかい仕上がりになります。高温の温風を使用することで、生乾き臭の原因となるモラクセラ菌を除菌することが可能です。また、衣類に付着した花粉中のアレル物質やペットの毛などを除去する効果があることも知られています。

また、不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、漏電安全装置などの各種安全装置が搭載されています。乾燥に伴って発生する湿気は、本体の排湿筒から屋外へ放出される仕組みです。業務用ガス乾燥機は家庭用に比べて使用頻度が高いことから、ベルトなどにより耐久性の高い部品を使用しています。機能面では、標準コースや厚物コース、シーツ・毛布コースなど、様々な運転コースが搭載されています。

2. 使用上の注意

ガス乾燥機において、ポリプロピレン繊維製の衣類や油分が付着した衣類は、自然発火の恐れがあるため乾燥させることができません。洗濯をしても油分などは完全に落ちないため、油分が付着した衣類は、洗濯後であっても乾燥させると発火や引火のおそれがあります。

危険性のある油分として、下記のようなものが挙げられます。

  • 食用油・機械油・動物系油
  • ドライクリーニング液
  • 美容オイル
  • ベンジン・シンナー・ガソリン
  • 樹脂 (セルロース系)

業務用ガス乾燥機の種類

1. 大きさ

業務用ガス乾燥機には様々な大きさの製品があります。小型のものでは乾燥容量5kg/8kgなどからあり、中〜大型では概ね14kg、25kg、40kg程度までです。14kgが上下二段になった二段式製品もあります。二段式では、洗濯物の種類や素材によって、異なる温度・時間設定で同時に乾燥することができます。

2. ドアの開閉方向・コインタイマー

業務用ガス乾燥機のドアの開閉方向には左開きと右開きがあり、設置場所のレイアウトに合わせて選択することが可能です。また、コインランドリー用の製品ではコインタイマーが標準で搭載されています。

3. 清潔機能

業務用ガス乾燥機は、ドラム内を清潔に保つ機能が搭載されています。具体的な機能は製品によって異なり、

  • 除菌モードの搭載
  • ドラム内のほこりなどを吹き飛ばすブロー機能の搭載
  • 自動で糸くず・綿ぼこりをかき集めるフィルターの搭載
  • 運転終了後にドラム内に微粒子イオンを放出する

などの機能があります。ドラム内が清潔に保たれるため、いつでも衛生的な乾燥が可能です。

本記事は業務用ガス乾燥機を製造・販売する株式会社TOSEI様に監修を頂きました。

株式会社TOSEIの会社概要はこちら