監修:司フエルト商事株式会社
羊毛フェルトとは
羊毛フェルトとは、羊の毛を原料として作られるフェルトです。
羊毛の繊維を水と石けんで洗い、摩擦や圧縮を加えることで繊維同士が絡み合います。これにより、柔らかさや密度を有するフェルト素材へ加工することが可能です。手芸や工芸およびアート作品などに使われるだけでなく、パッキンやガスケットなどに使用されることも多いです。
羊毛フェルトは耐久性があり、適切に取り扱えば長持ちします。保温性も高く、同時に通気性も有する点が特徴の一つです。さらに、自然素材であり、再生可能な資源であるため、環境にも配慮した素材と言えます。
羊毛フェルトの使用用途
羊毛フェルトは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。
1. 手芸・アート
羊毛フェルトは手で簡単に形作ることができるため、フェルトクラフトの素材として広く使用されています。人形や動物の模型、フラワーアレンジメントなどのアート作品が制作されます。
2. ファッション
羊毛フェルトは保温性がありながらも通気性があるため、冬季のアクセサリーや帽子、手袋などに使用されることが多いです。また、デザイナーがユニークな作品を製作するための素材としても利用されます。
3. 圧力シール材
比較的低圧力下でのシール材として、特定の液体やガスの封入に使用される場合があります。適切な固さを有し、親水性もあるため、シール材にもある程度活用可能です。ただし、高圧力や高温の環境では金属ガスケットなどを使用されることが多いです。
4. 保温材
羊毛フェルトは保温性があり、一部の遮熱材として使用されることがあります。産業において再生可能な製品として選定することが可能です。ただし、高温に耐える必要がある場合には他の素材が選好される傾向があります。
羊毛フェルトの原理
羊毛フェルトは羊の毛を原料としています。羊毛には数多くの微細な繊維があり、これらの繊維が水と石けんで洗われ、摩擦や圧縮を加えることで繊維同士が絡み合います。これにより、羊毛の繊維が互いに結びついてフェルト構造を形成される仕組みです。
羊毛フェルトは織られた布ではなく、無織布として知られています。繊維がランダムに配置されており、これが均一で柔らかい質感である理由です。
羊毛の主成分はタンパク質から構成されています。主にケラチンというタンパク質が繊維を形成し、水分や石けんによって一部変性します。それにより、繊維同士が相互作用して絡み合うことでフェルトとして活用することが可能です。
羊毛の繊維は非常に微細で縮れており、これによって繊維同士が互いに引っ掛かるようにして結びつきます。これが羊毛フェルトが持つ独特の柔軟性と耐久性の基盤となっています。
羊毛フェルトの選び方
羊毛フェルトを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。
1. 素材
一般的な羊毛は繊維が粗い場合がありますが、頑丈さや自然な風合いを求める場合に適しています。価格が手ごろで、手作りのアイテムやアート作品に使われることが多いです。高品質な製品が必要な場合はメリノウールなどが使用されます。
メリノウールはメリノ羊の毛から作られる羊毛フェルトであり、繊維が細かく柔らかい特徴があります。そのため、肌触りが良く、繊細な製品を製作することが可能です。頑丈な製品が必要な場合は、シュロスヴォルト羊の羊毛フェルトが使用されることも多いです。
2. 色
単色の羊毛フェルトはシンプルで統一感があります。一方、ミックスカラーは複数の色がブレンドされており、アート作品や手芸などの用途に有利です。また、 ナチュラルカラーは羊毛そのものの自然な色合いを生かした製品で、温かみがあります。
3. サイズ
羊毛フェルトの用途に応じてサイズを選定する必要があり、ロール状またはシート状で販売されています。標準サイズの場合はシート状で販売されており、手芸などの用途に使用されます。ロール状の製品は、大きな面積をカバーする場合や連続した長さで必要なときに便利です。
4. 密度
羊毛フェルトの密度は繊維が詰まっている程度を示し、耐久性などに影響します。高密度の製品は繊維が密集しているため、より丈夫で耐久性があることが多いです。クッション材などの強度が求められる用途に適しています。
本記事は羊毛フェルトを製造・販売する司フエルト商事株式会社様に監修を頂きました。
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