純水製造装置

純水製造装置とは

純水製造装置

純水製造装置とは、高度に浄化された水を生産するための装置です。

単純に純水装置と呼ばれることもあります。純水は特定の用途において高い純度が求められる場合に使用されます。純水製造装置はさまざまな技術を組み合わせて水を浄化し、不純物や微生物・溶解物質を取り除くことが可能です。

純水製造装置は定期的な水の購入や配送の必要性を排除できるため、長期的にはコスト効率が高いです。特に大量の純水が必要な業務や産業においては、コスト削減につながります。容器の使用を減らすことも可能なため、廃棄物の削減や環境への負荷軽減にも寄与します。

純水製造装置の使用用途

純水装置は以下のようなさまざまな使用用途で活躍しています。

1. 製薬産業

製薬会社では、高品質かつ安全な医薬品の製造を目指しています。純水は、製品の調製、洗浄、溶解、製剤調整などの工程で使用されることが多いです。

医薬品の原材料となる成分を溶解する際には、純度の高い純水が不可欠です。また、洗浄工程では製造装置や容器を清潔に保つために純水が利用されます。

2. 電子機器製造

電子機器の製造では微細な部品や回路が使用されます。これらの部品や回路は、微小な不純物が存在すると正常に機能しません。純水によって基板やチップを洗浄し、不純物や粉塵を取り除くために重要です。

また、電子機器は発熱する場合が多いため、熱を逃がすために純水が使用される場合も多いです。これにより、機器の適切な温度を保ちながら効率的に動作することが可能です。

3. 発電所

蒸気タービン発電所では高温高圧の蒸気を使用して発電を行います。蒸気を生成するためには高品質の給水が必要です。純水製造装置は水中の不純物や溶解物質を除去し、給水ポンプに供給するための高品質な水を提供します。

また、原子力発電所では冷却水として純水が使用されることがあります。原子炉の冷却には高品質な冷却水が必要です。そのため、原子力発電所では純水製造装置が使用され、冷却水を高品質かつ安定した状態に保つことが求められます。

純水製造装置の原理

純水製造装置は種類によって動作原理や構造が異なります。ただし、物理的な分離や化学的な吸着を使用して純水純度を向上させる点は共通です。

純水装置では、微細な孔や特殊な膜を使用して水中の不純物や微生物を物理的に隔離または分離します。これにより、水中の不純物が取り除かれ、浄化された水が得られます。

また、不純物を吸着して純水純度を高めることも多いです。イオン交換においては、イオン交換樹脂を用いて溶存イオンを除去または交換します。活性炭フィルターなどでは、不純物や有機物を吸着することで水を浄化します。

純水製造装置の種類

純水製造装置にはさまざまな種類が存在します。以下は純水製造装置の種類一例です。

1. 逆浸透装置

逆浸透装置は、RO膜 (逆浸透膜) を使用して水を浄化する装置です。RO装置は一般的に浄水フィルターや活性炭フィルター、紫外線殺菌装置などと組み合わせて使用されます。広範な用途に適しており、製薬、電子機器製造、化学分析などで使用されることが多いです。

2. 蒸留装置

蒸留装置は、水を蒸発させて再凝縮させることで水を浄化する装置です。水中の不純物を取り除き、高品質の純水を生産します。蒸留装置は比較的古くから使用されており、実験室や一部の産業で使用されています。

揮発性の不純物は初蒸留分を廃棄することで除去可能です。ただし、水と沸点が近い不純物の分離は困難です。

3. イオン交換装置

イオン交換装置とは、イオン交換樹脂を使用して水中の溶存不純物を除去する装置です。陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を混合して使用することが多いです。無機物の不要不純物を除去するのに適しています。

ただし、イオン交換樹脂の吸着容量には限界があるため、徐々に不純物除去能力が低下します。したがって、使用時間、水量などの記録は重要です。塩酸や苛性ソーダを使用することで、イオン交換樹脂を再生させることが可能な製品もあります。

参考文献
https://doi.org/10.20665/kakyoshi.57.6_272
https://doi.org/10.14894/faruawpsj.28.1_17

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