大型超音波洗浄機

大型超音波洗浄機とは大型超音波洗浄機

超音波洗浄機は、洗剤・溶剤などを用いる化学力と、振動や機械的エネルギーを用いる物理力の相乗効果を利用して洗浄する装置です。

小型の装置は、眼鏡やアクセサリー等の洗浄などに用いられる安価な家庭用や、実験室に設置されている器具の洗浄や薬品調整用に用いるような超音波発振機が内蔵されたもの、また、超音波発振装置を任意の容器に入れるもの等があります。

大型の装置は主に工業用で、工場での製造工程に組み込まれているようなものなどがあります。発生する超音波によって洗浄力が変わるため、用途に合わせて周波数や洗剤を選ぶ必要があります。

大型の超音波洗浄機の場合、電波法による法規制がかかることがあるため、設置する際には出力等に応じて適切な手続きを行う必要があります。基本的に出力が50W以上の超音波洗浄機は高周波利用設備の許可申請が必要です。

大型超音波洗浄機の使用用途

大型超音波洗浄機は、ほとんどが工業用途として使用されています。

主な用途としては、金属部品や樹脂などの脱脂洗浄、研磨紛やほこりの除去、精密金属部品、光ディスク、ハードディスクのヘッドの洗浄、ガラス基板の最終洗浄、シリコンウエハーの洗浄などが挙げられます。

金属部品などの洗浄であれば低い周波数、シリコンウエハーなどでは高い周波数で洗浄されます。また、超音波洗浄機は、脱泡・脱気、分散、撹拌や破砕などにも使用されています。

大型超音波洗浄機の原理

圧電セラミックスという特殊なセラミックスに電気エネルギーを加えると、セラミックスが伸縮します。この時に発生する振動を音に変換しますが、この音の周波数を20kHz以上にすると、超音波が発生します。

試料に超音波振動を与えて泡を発生させ、泡が弾ける際の衝撃 (キャビテーション) で発生するマイクロジェット水流を用いて洗浄します。

金属部品や樹脂などの脱脂洗浄、精密金属の部品洗浄には低周波の超音波を利用します。キャビテーションによる衝撃波で頑固な汚れも洗浄できます。半導体やシリコンウエハーなどは、高周波の超音波で洗浄します。キャビテーションは液深や液の種類によって発生の仕方が変わります。

超音波洗浄を行うための管理が十分でないと、振動板が劣化する恐れがあります。

参考文献
https://doi.org/10.4139/sfj.44.92
https://doi.org/10.4139/sfj.42.384

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です