浸水防止シートとは
浸水防止シートとは、豪雨や台風などによる水害対策を行うための防水シートです。
主に、機器や自動車などを浸水から保護することに使用され、建物出入り口などの開口部を簡易的に浸水から防ぐことにも使用できます。浸水防止シートを用いることにより、建て替えやリフォームを行うことなく簡易的に水害対策を行うことが可能です。
浸水防止シートの使用用途
浸水防止シートが使用される目的は、水害による浸水を未然に防ぐことです。集中豪雨、ゲリラ豪雨、台風など様々な気象条件により浸水を伴う水害は発生します。
浸水防止シートは、駐車場などの屋内外機器の浸水防止、自動車の浸水防止、開口部からの建物の浸水防止などの用途で使用される製品です。自動車の防水では、特に電気系統やエンジン系統の浸水を防ぐ目的で使用されます。他の乗り物にも応用して使用することが可能であり、
- 水上バイク
- オートバイ
- ヘリコプター
- ジェットスキー
などの事例があります。
更には医療機器や家財にも転用可能です。降雪被害や降灰被害の対策にも利用できます。
また、立体的にシートが立ち上がることで、簡易的な防水壁として使用できる製品もあります。建物の浸水防止では、工場・倉庫・ビル・マンション・商業施設・公共施設・個人住宅などに使用されます。尚、浸水防止シートで防止するのが難しい場所には止水板などを利用することが効果的です。
浸水防止シートの原理
1. 概要
浸水防止シートは、主にポリエチレン織布や、ポリ塩化ビニルなどの合成繊維が用いられており、多層の防水コーティングが施されています。軽量かつ丈夫で柔軟性の高い材質です。防水シートは水圧がかかることによりピタッとシートがくっつき浸水を防ぎます。
薄型であり、使わない時は折り畳んでコンパクトに収納できるため場所をとらずに保管することが可能です。雨が止んだあとは日陰で干しておくだけで繰り返し使用可能です。機器用浸水防止シートは、設置機器のサイズや形状に応じた
カスタム設計・製造を行うことができ、設置も容易です。
2.特性
従来浸水対策に用いられてきた土のうは、重くかさばるため、準備・後片付け・保管が大変でした。浸水防止シートは、軽量で取り扱いが容易である上、製品によっては、漏水量200L/(h・m2)以下、土のうの約10倍以上という高い止水性能を発揮します。水圧では、1,300mm/min以上の水圧に耐えられる製品もあります。
また、開けた駐車場に停車中の車などは、土のうによって浸水対策を行うことが有効では有りませんが、浸水防止シートであれば、車両自体を覆うことで浸水対策を行うことが可能です。
浸水防止シートの種類
浸水防止シートには、用途に合わせて、機器用の浸水防止シートや、自動車用浸水防止シート、簡易的な防水壁の代わりとなるシートなどの種類があります。
自動車用浸水防止シートでは、自動車をシートの上に停めて包むような形状のものや、袋状になっているシートの中に自動車を進入させて停めるものなどがあります。大きさの種類は、車両の大きさに合わせてS,M,Lなどの3種類程度です。Sサイズは、軽自動車やクラシックカーの他、オートバイや家財などに使用することもできます。Mサイズは中型のセダンやスポーツカーに適しています。Lサイズは大型セダンや、小型から中型のSUV、大型までのスポーツカー、ミニバン、ワゴンなどに使用することが可能です。
また、開口部などに設置する浸水防止シートでは、用途に合わせて1m〜50m程度までの幅の種類があります。
浸水防止シートのその他情報
1. 浸水防止シート以外の浸水対策
浸水防止シートは手軽かつ有効な浸水対策手段ですが、条件等によっては、シートでは効果が不十分なケースもあります。そのような場合は、止水板などを活用することが有効です。止水板も、工事不要で導入できるものが多々有り、水かさが増すと水圧で建物と止水板が密着します。製品にもよりますが漏水量20L/(h・m2) 以下の高い止水性能を発揮し、効果的に水害対策を行うことが可能です。
それ以外にも、水害時のみ浸水経路が自動的に閉鎖されるような浸水防止換気口など、手軽に導入できる浸水対策部材は多々あります。