ダクト式電気ヒーターとは
ダクト式電気ヒーターとは、電力によって空気を加熱して対象物を暖める装置です。
通常はダクト(空気の流れを制御する管)に接続され、空気を加熱して送り込むことで対象物の温度を上昇させます。作業場やオフィスなどの部屋を対象に使用される場合が多いです。冷暖房システムのダクトに接続し、建物の中央暖房システムに組み込むことができます。
電熱線を使用した製品が多く、構造が簡単な点が特徴です。電力を使うため設置が簡単で、電力供給があればどこでも使用できます。ただし、電気の単位価格が高い場合、運用コストが高くなる可能性もあるため注意が必要です。
製品によっては室内空気を循環させることも可能で、室内の空気品質を向上させるのに役立ちます。なかには外気を導入する製品も販売されています。
ダクト式電気ヒーターの使用用途
ダクト式電気ヒーターはさまざまな用途で利用されています。以下はダクト式電気ヒーターの使用用途です。
1. 住宅暖房
ダクト式電気ヒーターは、住宅の中央暖房システムとして使用されます。主に家庭内のさまざまな部屋を暖めるために、中央の暖房ユニットとダクトを介して空気を分散させます。寒冷地域や国では一般的な暖房手法です。
2. 商業施設
商業ビルや工場・倉庫などの大規模な施設で、ダクト式電気ヒーターは広範囲に渡る暖房を提供するために使用されます。これらの施設では、ダクト式の暖房システムによって建物内の異なる区画を均一に暖めることが可能です。また、オフィスビルやホテルなどでは集中空調と組み合わせて使用され、快適な環境を提供します。
3. 公共施設
学校の教室や体育館など、さまざまな施設でダクト式電気ヒーターが暖房に使用されます。集中空調の暖房システムに組み込まれることが多く、各教室を適切な温度に保つことが可能です。また、病院や医療クリニックの室温管理や、市民プールなどにも使用される場合があります。
ダクト式電気ヒーターの原理
ダクト式電気ヒーターは電気エネルギーを使用して空気を加熱し、ダクトを通じて建物内の各部屋に分配する仕組みです。
通常は電熱線や電熱コイルが加熱要素として内蔵されています。これら部品によって電力を消費し、抵抗を通じて発熱します。これらの加熱部品が発熱することで、周囲の空気を加熱することが可能です。
ダクト式電気ヒーターには、エアハンドリングユニットと呼ばれる装置が組み込まれている場合が多くあります。エアハンドリングユニットはファンなどで空気を取り込み、フィルターや湿度制御装置を通じて空気を調整します。これにより、清浄で快適な暖房空気を生成可能です。
暖房空気はダクトを通じて建物内の各区画に送られます。ダクトは壁面や天井内に隠されていることが多く、必要に応じて保温することで空気の流れを効果的に制御する構造物です。各部屋にはダクトからの空気供給口があり、暖房空気がそこから放出されます。
ダクト式電気ヒーターの選び方
ダクト式電気ヒーターを選ぶ際には、いくつかの要因を考慮することが重要です。以下はダクト式電気ヒーターの選定要素です。
1. 設置場所
ダクト式電気ヒーターを設置する際、屋外か屋内かで設計要件が異なります。屋外設置する場合は電源配線の保護などが必要であり、屋内設置の方が安価です。設置場所を確定させた後に、それに合わせて製品を選定します。
2. 電源電圧
ダクト式電気ヒーターは特定の電源電圧で動作します。設置場所の電源電圧と、選択したヒーターの動作電圧が一致することが重要です。一般的な電源電圧はAC110Vまたは1φAC110V、3φAC220Vです。
3. 電力
ダクト式電気ヒーターの電力要件は、ヒーターの加熱能力によって異なります。必要な暖房能力に基づいて加熱能力を計算し、十分に加熱できるダクト式電気ヒーターを選定することが重要です。電気ヒーターの電力は製品仕様で指定されています。
4. 寸法
集中空調などのダクトは、必要な冷暖房能力と必要な風量に基づいて設計されます。本製品の寸法は、ダクトに合致しつつ、設置スペースに合わせて選ぶことが多いです。特に天井に設置する場合、高さや幅が許容範囲内であることを確認します。