パワーLED

パワーLEDとは

パワーLEDとは、出力電力が大きなLEDを指します。LEDとは「Light-Emitting Diode」の略で、通電することで発光するダイオードのことです。発光効率が良いことから、現在は照明器具として主流の部品となっています。

パワーLEDはLED素子を複数個並列した構造を持ちます。駆動に大電流が必要な反面、高輝度を有します。一般的なLEDと比べて内蔵部品などは変わらず、放熱構造を持っていることが大きな特徴です。

パワーLEDの使用用途

パワーLEDは照明や表示灯として用いられる場合がほとんどです。代表的な使用用途は下記の通りです。

  • 自動車のヘッドライト
  • 屋外競技場の巨大投光器
  • 工場天井灯や住宅用シーリングライト
  • 漁船の集魚灯

上記のように、産業用から民生品まで幅広く用いられています。我々の生活に、パワーLEDは不可欠な存在です。

パワーLEDの原理

LEDはP型半導体とN型半導体を繋ぎ合わせた構造のダイオードです。このダイオードに電流を流すと接合面が発光するため、発光ダイオードと呼ばれています。パワーLEDは、LEDを並列に複数素子繋ぎ合わせることで大出力にしています。

パワーLEDは高輝度を保持するために大電流が必要であり、発熱量も大きくなります。一般にLEDの効率は30%程度と言われており、残りの70%は熱として放出されます。そのため、冷却によって耐熱温度を下回るように設計されます。

冷却構造は、放熱用基板への実装やヒートシンクを用いて設計されます。また、放熱器形状をスター型にするなどの工夫により、熱を逃がすように設計します。

パワーLEDのその他情報

1. パワーLEDと通常LEDの違い

パワーLEDと通常LEDの違いは出力にあります。厳密な決まりはありませんが、一般的に1W以上の出力電力のLEDをパワーLEDと呼びます。内蔵されているLEDチップは同じです。ただし、パワーLEDには発熱対策として放熱構造を取る必要があります。

2. パワーLEDの駆動方式

パワーLEDの駆動に単純な電流制限抵抗を使用すると、消費電力が多くなり発熱量が増加します。発熱によってLEDの発光効率が低下し、点灯時間に応じて暗くなってしまうため、パワーLEDを駆動する際は定電流回路での駆動がおすすめです。

例えば、FETオペアンプを使用する方法があります。この2つを用いて回路を構築することで、定電流発光が可能です。また、放熱設計も重要です。熱は基板側へ伝達しやすいため、基板の放熱設計がパワーLEDを安定駆動させるのに欠かせないポイントと言えます。

3. パワーLEDのパッケージ

LEDには様々な形状が存在します。代表的な形状は以下の3つです。

  • 表面実装型
    表面実装型は他のパッケージと比較して自由度が高いので、後段の光学レンズ等を設計する機会があれば利用します。
  • COB(Chip On Board)
    COBはパワーLEDとして良く使われる形状で、基板とLEDチップがセットになっています。基板を配置・配線するだけで、放熱を気にせず使うことが可能です。
  • 砲弾型
    砲弾型は、そのレンズによってLEDの指向性を高めた設計となっています。上記2種のLEDが全方位へ明るいのに対し、砲弾型は一方向に特化して明るくなります。発光範囲を絞りたい場合は砲弾型を使います。

参考文献
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/194.html
https://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/backnumber/2006/02/p136-137.pdf
http://www.my-craft.jp/html/aboutled/led_package.html
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/194.html

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