ポリアセタール

ポリアセタールとは

ポリアセタール

ポリアセタール(POM)はアセタール結合を主鎖に有する樹脂で、主にオキシメチレンのホモポリマー、もしくはオキシメチレンとオキシエチレンの共重合体(コポリマー)である樹脂です。剛性、耐摩耗性、耐薬品性に優れるなどの長所があり、ポンプ部品や歯車や軸受、ファスナーなどに用いられています。

一方でポリアセタールは白色で透明性に劣ること、紫外線によって主鎖の炭素-酸素結合が切断されるため耐候性に劣ること、加水分解を起こすため強酸への耐久性が低いなどの欠点があります。

ポリアセタールの使用用途

ポリアセタール(POM)はアセタール結合を主鎖に有する樹脂で、主にオキシメチレンを繰り返し単位とする樹脂です。ポリアセタールはポリオキシメチレン(Polyoxymethylene)の略称でPOMと呼ばれますが、一部のPOMにはオキシエチレンも含まれています。

ポリアセタールは剛性、耐摩耗性、耐薬品性に優れる、吸水性が小さい、金属との摩擦係数が小さいなどの長所があります。このような長所を活かし、ポリアセタールはポンプ部品や給水管のジョイント、歯車や軸受、ファスナーや洗濯槽など幅広い業界、用途で使われています。

ポリアセタールの構造

ポリアセタールはホルムアルデヒドのアニオン重合によって得られます。重合後の末端は不安定なヘミアセタール構造であり、無水酢酸などでアセチル化処理することで安定化させています。また、ホルムアルデヒドの他にオキシエチレンも加えて重合させた共重合体のPOMも製品化されています。

ポリアセタールの構造

図1. ポリアセタールの構造

ホルムアルデヒドのホモポリマーはコポリマーに比べて結晶化度が高く、機械強度は高いですが、成形性、熱安定性は低めです。また、コポリマーはホモポリマーより長期の機械物性に優れており、機構部品などの使用に適しています。

ポリアセタールのその他情報

ポリアセタールの短所

酸による分解機構

図2. 酸による分解機構

ポリアセタールは優れた物性を有するプラスチックである一方で、短所もいくつかあります。POMの短所としては白色であり、透明性が無いこと、主鎖の炭素-酸素間の結合、もしくはアセチル化された末端が紫外線によって切断されるため、耐候性が低いことが挙げられます。なお、カーボンブラックなどの色材を添加することで耐久性を向上させたPOMも製品化されています。

また、POMは酸と接触することでも主鎖の炭素-酸素間の結合が加水分解を起こすため、強酸への耐久性もありません。その他、POMに対応する接着剤が無いため、接着性が悪いという短所もあります。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcorr/61/4/61_182/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/koron1974/61/11/61_11_567/_pdf/-char/ja

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