耐水紙

監修:株式会社田村商店

耐水紙とは

耐水紙とは、特殊な加工や素材によって水に強い性質を付加した(耐水性が高い)紙です。

耐水紙は、水や湿気のある環境でも劣化しにくく、水に濡れる場所や屋外での使用に優れています。水に強いだけでなく、耐久性、摩耗性にも優れ、変形しにくいことも特徴です。また、耐水紙の中には、コーティングの効果により、対候性や耐油性に優れたものもあります。耐水紙は表面が滑らかなため、美しい仕上がりの紙製品を作製することが可能です。

耐水紙の使用用途

耐水紙は、屋外を始めとする水がかかる可能性のある場所や湿気の多い場所などで多く用いられています。具体的には下記のようなものが挙げられます。

  • 飲食店等におけるメニュー
  • カタログ
  • 食品包装 (冷凍食品、冷蔵食品、生鮮食品、スナック菓子、弁当箱など)
  • 食品や瓶ボトルのラベル
  • 農業資材や園芸用品など、屋外で使用されるタグ
  • 機械装置の警告タグ
  • アミューズメントパーク・イベントにおける、チケットやパスポート
  • 地図や旅行ガイドの印刷
  • 建設現場や工場のマニュアル、図面
  • 屋外看板・ポスター
  • 病院などにおける採血管のラベル、リストバンドなど
  • 医療機器など水や汚れ(血液など)が掛かる可能性のある場所で用いられるマニュアル

耐水紙は、主に、水や各種の汚れ(飲食店における食品の汚れ、医療分野における血液、建設現場等の作業現場における汚れなど)が付着する可能性があるシーンや、包装などの内容物を保護するために使用するシーンなどで多く用いられている紙であると言えます。

耐水紙の原理

耐水紙は、製造にあたって特殊な製造方法、薬品、加工や素材を用いることにより、耐水性が付与されています。

例えば、素材では、一般的な紙が木材パルプや植物繊維を原料などを原料とするのに対し、耐水紙はポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂を使用していることがあります。こうした合成樹脂を用いた耐水紙は耐水性とともに耐久性を向上させることが可能です。中でも、ポリエステル製の耐水紙は、特に強度が高いという特徴があります。また、コーティング加工を施すことにより、表面を滑らかにすることが可能です。このため、水分や油分、汚れが付着しにくくなります。

耐水紙の種類

1. 概要

耐水紙には、様々な種類の製品があり、それぞれ多様な用途で利用されています。下記は代表的な例です。

1. ユポ

ユポ、もしくはユポ紙、は、ポリプロピレンの樹脂を用いた合成紙です。表面が滑らかで、光沢があり、豊かな色彩表現が可能です。特に耐久性・耐水性に優れています。また、油や特殊な溶剤に対しても耐性を持つ耐水紙です。原料に木材を使用しないため、森林保全の観点でも優れています。

2. 耐水耐油紙ポエム-S

耐水耐油紙ポエム-Sは、ECFパルプ(無塩素漂白)を100%使用している耐水紙です。無塩素漂白のため、リサイクルが可能なことも特徴です。ベースの紙の強度が高いため、加工適性に優れています。

3. OKレインガード

OKレインガードは、コア部分に上質紙を使用している耐水紙です。白色度が高く、高い印刷効果を得ることができます。また、鉛筆や油性ペンで書いても、仕上がりが美しいことも特徴として挙げられます。

4. ストーンペーパー

ストーンペーパーは、石灰石とポリプロピレン樹脂を原料として製造される耐水紙です。色彩表現が豊かで、滑らかです。製造工程において木材を使用せず、水も殆ど使用しません。CO2の排出も紙より少ないため、環境に配慮された耐水紙といえます。

耐水紙のその他情報

耐水紙は、加工や印刷を行うことが可能です。耐水性や耐久性に優れた製作物を作製することができます。ただし、耐水紙の種類によっては、可能な加工が限定される場合があります。下記は、代表的な加工の例です。

  • 断裁加工 (一般的には専用の断裁機械やレーザー加工機を使用)
  • 穴あけ加工 (専用の穴あけ機を使用)
  • 印刷加工 (種類や用途によっては特殊なインクや特殊な印刷機器が必要)
  • 貼り合わせ加工
  • 折り加工
  • ミシン目加工
  • 型抜き加工
  • 箔押し加工
  • エンボス加工

本記事は耐水紙を製造・販売する株式会社田村商店様に監修を頂きました。

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