シリコーンコーティング剤

シリコーンコーティング剤とは

シリコーンコーティング剤とは、ジメチルシロキサンなどの有機ケイ素化合物のポリマーを含有するコーティング剤です。

よく知られるものとして、車両の塗装の上に塗られるコーティング剤や、住宅のフローリング用のコーティング剤が挙げられます。これらは両方ともシリコーンコーティング剤で有機ケイ素ポリマーを含有しますが、塗工方法やコーティングされたあとのコート層の厚さが全く異なります。

車用は車体にスプレーした後、薄く延ばしながら拭き取るように塗工することで、非常に薄い膜を塗装表面に形成させます。これに対して、フローリング用コーティング剤の塗工方法は塗料と同様に、厚い塗膜を形成させた後、自然乾燥させる方法です。

シリコーンコーティング剤の使用用途

シリコーンコーティング剤は、大きく分けて2つの使用用途があります。

1. 車両用のコーティング剤

車両用のコーティング剤として、シリコーンコーティング剤の他にもガラス系のコーティング剤が存在します。コーティングの目的は、ガラス系、シリコーン系とも車の塗装面の保護と艶出しですが、シリコーン系はコーティング作業に技術が不要で、比較的誰でも簡単に実施することができます。

カー用品店などで、簡単に入手できるスプレータイプのシリコーンコーティング剤は、そのままボディに吹き掛けて使用するため、コーティング作業も非常に簡単です。一方のガラス系のコーティング剤は、プロ向けのコーティング剤と言えます。

性能面においては、シリコーン系コーティング剤はガラス系コーティング剤と比較すると、コーティング後の艶感は優れますが、耐久性はガラス系コーティング剤に劣ります。

2. フローリング用のコーティング剤

住宅用のシリコーンコーティング剤は、UVコート、ガラスコート、ウレタンコートなど、他のフロアコーティング剤と比較すると、圧倒的な光沢感、グリップ性、コストパフォーマンスに優れた材料になります。しかし、耐久性がUVコートやガラスコートに比べると劣る点がデメリットです。

フローリング用のシリコーンコーティング剤は製品にもよりますが、耐用年数はおおよそ10年となっています。

シリコーンコーティング剤の特徴

シリコーンの分子はケイ素 (Si) と酸素 (O) が連結したシロキサン (-Si-O-) 構造を持ちます。Siは4つの共有結合を持つので、1つのSiあたり2つのOとの結合以外にメチル基 (-CH3) などのアルキル基が2本結合しています。なお、SiとOだけで3次元的に結合したものがガラスです。

ケイ素と酸素のシロキサン骨格は、他の高分子の主骨格となる炭素と炭素の結合よりも結合エネルギーが高いので、シリコーンのコーティングは他の樹脂コーティングよりも耐熱性が高いのが特徴です。コーティングを行うことによって、細かいキズがコーティング剤により埋まることで光沢がでます。

また、シリコーンはフッ素系化合物と同様に撥水性が高く、表面にコーティングすることで被塗物の表面の撥水性を高め、水を寄せ付けず、汚れを防ぐことも可能です。雨の後など、シリコーンコーティングが施工されている車両であれば水分を弾くので、雨降りの後でも水分が残ることはありません。

シリコーンコーティング剤のその他情報

シリコーンコーティング剤のデメリット

シリコーンコーティングは光沢が出るのが特徴の一つですが、この光沢を好まない人にはおすすめできません。最近では、不自然に光沢があるよりも素材そのものの味が出るコーティングを求める人も増えてきています。

また、光沢の強いシリコーンコーティングは少しの傷でも目立ってしまいます。気になる方はコーティングを頻繁に行ったりして、コーティング面のケアをしっかりと行う必要があります。

フローリング用のシリコーンコーティングは皮膜が厚いため剥離剤が浸透しにくく、剥がしにくいのが特徴です。失敗した場合の補修がしにくい点もデメリットとして挙げられます。

参考文献
https://autoc-one.jp/knowhow/5000900/0002.html
https://coating.th-angel.com/2013/09/blog-post_4269.html
https://www.java-style.com/pickup/2637/
https://xn--cckc3bk9gyd2h1b7dw242b4ytac57bbb2b.com/silicone-deterioration/

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