炭酸亜鉛

炭酸亜鉛とは

炭酸亜鉛は、亜鉛の炭酸塩で、三方晶の構造をを有する白い粉末状の物質です。通常は、塩基性炭酸亜鉛のことをいい、ZnCO3の分子式で表します。しかし、組成は安定しておらず、工業の分野では代表的な化学式である2ZnCO3・3Zn(OH)2・H2Oを使用しています。

炭酸亜鉛は、天然に産出するのは菱亜鉛鉱であり、加熱すると140℃で分解して酸化亜鉛と二酸化炭素を生成します。鉛塩水溶液に炭酸アルカリを加えて反応させると、塩基性炭酸亜鉛ができます。炭酸亜鉛は、水にほとんど溶けない特性を有します。

炭酸亜鉛の使用用途

炭酸亜鉛は、陶磁器の絵付け用の顔料や軟膏などの医薬品、食品添加物として使われます。また、木材の防火用に難燃化剤としても使われています。さらに、ゴムの配合原料や亜鉛メッキ用の原料、触媒など多くの用途があります。家畜用飼料の添加剤にも使われますが、家畜の亜鉛不足による食欲減退や成長不良を予防する効果があります。

炭酸亜鉛を加熱することで得られる酸化亜鉛は、液晶蛍光管用や紫外線遮蔽用など、応用用途があります。

鉄板や鉄骨には錆の防止用に亜鉛メッキが良く使われますが、亜鉛の表面が水分や大気に触れると、水酸化亜鉛の膜ができます。水酸化亜鉛が酸化すると炭酸亜鉛になり、錆の防止効果が出てきます。

参考文献
https://www.nite.go.jp/chem/chrip/chrip_search/dt/html/GI_10_001/GI_10_001_3486-35-9.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です