屋根瓦

屋根瓦とは

屋根瓦

屋根瓦とは、日本建築で多く使用されている屋根材です。

屋根瓦にはスタイル、用途、焼成法、色、等級、産地などの違いから1,000を超える幅広い種類があります。特に粘土瓦は、屋根材として最も多く用いられている屋根瓦です。

粘土瓦は粘土を瓦の形にして、高温で焼き上げて作られます。粘土瓦の中でも、焼き上げる前に釉薬をかけて色を出すものを陶器瓦と呼びます。陶器瓦はさまざまな色合いが出せ、変色もほとんどしないです。

他にも屋根瓦にはセメントを主成分にしたセメント瓦や、セメントに樹脂繊維と気泡を含めたハイブリッド瓦などがあります。セメント瓦の主成分はセメントで、自由に成型可能です。そのため陶器瓦と区別がつきにくいほど見た目が似ていますが、陶器瓦とは違って年数が経つと色あせます。

屋根瓦の使用用途

屋根瓦の中で一番使用の多い瓦は粘土瓦です。種類によって使用される場面が若干異なります。

1. 釉薬瓦

釉薬瓦は、家の形やデザインに合わせて和風の家だけでなく洋風の家にも使用されています。また、意匠性やデザイン性に優れており、日本建築や西洋建築でも長年愛され使用され続けています。

2. いぶし瓦

屋根瓦の一種であるいぶし瓦は、銀色が特徴的な瓦で、古くから城や社寺などに使用されてきました。現在でも、日本建築の屋根材として広く利用されています。

3. 素焼瓦

素焼瓦は焼き物の自然な風合いを生かした赤瓦で、ヨーロッパの港町などでよく見られます。素焼瓦は洋風の建築物に用いられることが多く、世界遺産のドブロヴニク旧市街は素焼瓦による赤い屋根が建ち並ぶ景観が美しいことで有名です。

屋根瓦の種類

瓦屋根の種類には、陶器瓦、素焼瓦、いぶし瓦、セメント瓦、本瓦、銅板瓦などがあります。

1. 陶器瓦

陶器瓦はオーソドックスな屋根瓦です。瓦の表面に釉薬を塗って焼き上げるため、釉薬瓦とも呼ばれています。

2. 素焼瓦

洋風の建築物によく使われる素焼瓦は、焼き物の自然な風合いが見られます。

3. いぶし瓦

いぶし瓦は焼き上げた瓦を煙でいぶして、炭素の膜を表面に施した銀色の瓦です。

4. セメント瓦

セメント瓦は粘土で作られたスレート屋根で、陶器瓦よりも色があせやすく、定期的に塗装が必要です。

5. 本瓦

主に本瓦は寺院や武家屋敷で使用されます。

6. 銅板瓦

銅板瓦も神社仏閣で用いられ、銅を使った屋根材です。

屋根瓦の選び方

屋根材には瓦、コロニアル、金属、アスファルトシングルなどがあります。一般的な瓦の寿命は60年とされています。

初期コストがかかる一方で、長期的には価値のある屋根材です。近年では漆喰を使用しない乾式工法が標準化され、従来と比べてメンテナンスの頻度は減りました。

コロニアルの寿命は30年とされており、強風によってひび割れやめくれが起こり、メンテナンスの頻度は多いです。ただし部分修理や応急処置が容易です。金属屋根の寿命は40年とされ、急激にガルバリウム鋼板の需要が高まったため現在では最も多く使用されています。断熱性、耐震性、耐久性、耐風性などを考慮した屋根材です。

アスファルトシングルの寿命も30年とされています。風ではがれる可能性が高いですが、価格やメンテナンス費用が安いです。

屋根瓦の構造

屋根瓦の形状には、J形、F形、S形などがあります。

1. J形

J形のJは日本式 (英: Japanese) の意味で、無釉薬瓦 (陶器瓦) に多い種類です。J形は日本で古くからある波打った形状で、和瓦、日本瓦、和形瓦とも呼ばれます。湾曲の部分によって通気性が確保され、空気の層を作って外気温を伝わりづらいです。湿気が多くて寒暖差が激しい日本では合理的な形状です。

2. F形

F形には凹凸のなく、デザインがすっきりしています。主に現代の洋風の住宅に使用されています。

3. S形

S形は大きく波打っており、陰影が美しいです。洋風のデザインに仕上げる際に、セメント瓦や素焼き瓦などでよく用いられます。J形と同様に、断熱性や通気性に優れています。

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