化粧合板とは
化粧合板とは、装飾強化などを目的として、ベニヤ板の表面に加工を施した合板です。
化粧合板には、「天然木化粧合板」と「特殊加工化粧合板」の2種類があります。天然木化粧合板は天然銘木を薄くスライスした突板を、基材の合板に貼り合わせて作られており、別名で銘木化粧合板と呼ばれます。天然木化粧合板は低価格で、無垢材のような美しさが特徴です。
特殊加工化粧合板は、カラー塗装をされたり、布・紙・柄付きのプリントを用いられたり、多種多様な加工が施された化粧合板です。特殊加工化粧合板には、塗装を施した「塗装合板」、各種合成樹脂板を貼り合わせた「合成樹脂化粧合板」、印刷した紙等を用いる「プリント合板」など、多くの種類が存在します。
化粧合板の使用用途
化粧合板は、天井や壁等の建材やドア、家具など、主に内装の仕上げ用として、幅広く利用されています。天然木化粧合板は、住宅やマンションなどで内装壁材として、以前から広く使われてきました。最近では、高級住宅の一部にも使用されているほか、体育館・ホール・会議室などの建具や家具の表面材としても広く使用されています。
合成樹脂化粧合板は、既製家具などに用いられています。また、造り付けの家具仕上材として利用されるほか、防水などの加工が施しやすいことから、カウンターの天板や水廻りの内装材としても利用可能です。
プリント合板は、合板の表面に模様や木目を印刷したもので、デザイン性に富んでいることが特徴です。そのため、家具やキッチンの面材、内装の一部など、住居のさまざまな場所で使用されています。
化粧合板の原理
天然木化粧合板は天然銘木をスライスして突板を施しています。そのため天然木化粧合板には、無垢材のような木の質感があります。
特殊加工化粧合板はカラー塗装や柄の付いたプリントなど、あらゆる加工が施された化粧合板です。ポリエステル樹脂のような合成樹脂で加工された化粧合板は、耐水性に優れています。木目調の印刷など、多種多様なデザインを安く実現可能です。
化粧合板の種類
化粧合板はシート系、単板系、貼合系に分類されます。代表的なシート系には4種類あり、オレフィンシート、塩ビシート、強化紙、一般紙です。
単板系には高圧メラミン化粧板があります。表層硬さは最高級の9Hで、200°Cほどの耐熱性能を有します。表面に貼って耐熱性を持たせるために使用できますが、独立して壁パネルにできません。
貼合系には低圧メラミン化粧板、ポリエステル化粧合板、ポリ板があります。低圧メラミン化粧板は基材にパーティクルボードを用い、メラミン含浸紙を表層に貼ります。高圧メラミン化粧板は厚みのある板に貼る必要がありますが、低圧メラミン化粧板はそのまま使用可能です。工賃面や素材価格面でコストを削減できますが、嵩張ります。ベースの紙を合板のような台板に貼ると、ポリ板を製造可能です。ポリ板は店舗家具の壁面や摩耗のない場所などに使われ、大幅にコストを削減できますが、表面硬度が2Hほどで硬くありません。
化粧合板の選び方
一般的に化粧合板は、ベニヤ板よりも強くて、無垢材よりも安価です。例えば天然木化粧合板には、木目の美しさや風合いがあります。それに対して特殊加工化粧合板は、柄入りやカラフルなど、デザインの幅が広く、インテリアに合わせやすいです。凹凸があって、本物の木の質感に似た種類もあります。
種類によって化粧合板には、多種多様な機能性を持っています。合成樹脂化粧合板は耐熱性に優れ、傷つきにくいです。熱い料理の皿を置いたり、調理器具を落としたりした場合にも耐えられ、キッチンやテーブルによく使用されます。
ホルムアルデヒドの放散量が少ない化粧合板を選ぶ必要があります。家具の塗料や接着剤に含まれた化学物質が蒸発すると、人体に呼吸によって侵入し、シックハウス症候群の症状を引き起こす可能性があり注意が必要です。