光パワーメーター

光パワーメーターとは

光パワーメーター

光パワーメーター(英: Optical power meter)とは、光の強度 (パワー) を測定するための装置のことです。

特に光ファイバー通信に使う光の強度を測る際に「光パワーメーター」という名称が使われます。測定する光の種類や測定の単位系によって様々な名称が使われており、他にも、例えば例をあげると、レーザーパワーメーターや放射照度計、光度計、照度計などという名称が一般に使われています。

名前が違うだけでなく、測定結果を表示する際の単位が異なりますが、どれも物理的な光の強さを表すものという意味では共通です。

光パワーメーターの使用用途

光パワーメーターの使用用途は、光の強度の絶対値を正確に測定したい場合に用いられます。

光の強度を測定する装置として非常に汎用性が高く、光ファイバー通信の通信波長光源や各種レーザー・LEDなどの汎用光源など様々な光源の出力を測定するのに利用されています。価格も手頃であり、実験室内のみならず様々な現場で活用されるために、小回りの効くハンディタイプのものが種類も多く販売されています。

強すぎる光の暴露は、例えば眼球へのダメージなど生体にとって毒性をもたらし危険な場合があるので、レーザー光源などを安全に正しく扱うために、使用する光の強度を測定することは非常に重要です。

光パワーメーターの原理

光パワーメーターの原理は、光電効果を用いたフォトダイオードやバイオセンサーなどのセンシングデバイスを用いて、計測対象の光の強度値を電流値や温度変化などの物理的な尺度へ変換することで、その計測を実施しています。

一般に光パワーメーターは光強度を測定するための半導体センサーとその結果を出力するディスプレイのような表示器によって構成されています。半導体センサーとして用いられるのは光電効果によって、光強度を電流値として測定するフォトダイオードセンサーと、センサーが受光した際の温度変化を測定する、サーモパイロセンサーやパイロエレクトリックセンサーが用いられます。

特にフォトダイオードセンサーは受光した光子量に対して、高い線形性で電流値に変換できるため、多くの光パワーメーターで採用されています。

これらのセンサーにおいて電流値への変換や温度変化は、受光する波長によって効率が異なるため、測定結果の信憑性を担保するために、センサーは各波長で正しく校正されている必要があります。場合によっては感度の低い波長帯を補正するためにセンサー入力アンプを用いてシグナルを増幅することもあります。

光パワーメーターのその他情報

1. 光パワーメーターが扱う光波長について

光パワーメーターはあくまで光の強度を測定するための装置なので光の波長を測定することはできません。測定結果として光の波長と強度が表示されますが、この波長は測定されたものではなく、その波長に最適化された校正を用いていることを意味するもので、ユーザー自身が測定に合わせて設定するものなので注意が必要です。

一般に光パワーメーターは、例えばBlue-ray DiscやDVDなどの用途に可視光の400nmから700nmの波長レンジで複数の波長が選択可能なタイプや、光ファイバー通信向けに1,300nmから1,550nmなどよく使用される範囲のレーザー光源の波長を中心に、複数の波長を選択できるようなタイプが需要もあり多く扱われています。

2. 光パワー測定における留意点

光パワーメーターで非常によく用いられるフォトダイオードは、半導体のPN接合に光が入射することで生じるバンド間吸収での光起電力、すなわち光電効果をその動作原理としていますが、フォトダイオードはそのバンドギャップ量に応じて電流値に変換可能な光波長は大きく異なります。

例えば、InGaAsという化合物半導体系のフォトダイオードでは、800nmから1,700nm付近の光波長が対応可能であり、Si系のフォトダイオードでは、400nmからという可視光に対応可能です。

よって、測定したい光波長に適した光パワーメーターを用いないと値が正確でないだけでなく、場合によっては評価できない可能性もあります。光ファイバー通信の評価では温度変化や振動で波長が揺らぐ可能性もあり、正確な評価のためには、測定波長の整合性と、安定した温度、振動のない環境への配慮が重要です。

参考文献
https://www.rp-photonics.com/optical_power_meters.html
https://www.nicera.co.jp/products/infrared-sensor/thermopile-sensor http://www.neotron.co.jp/product/S2/S&LEnergySensorHeads%20.pdf

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