PC用電源

PC用電源とは

PC用電源

PC用電源とは、コンピュータ用の電源回路を収めた電源ユニット・電源装置です。

PSUと略称されています。商用電源 (交流) を入力し、PC用電源内部で整流ブリッジ、スイッチング回路、高周波トランスを介して直流に変換を行い、CPUマザーボード、周辺機器などコンピュータ各部へ安定的に給電するための出力を作り出す役割を持っています。また、ノイズ対策、過電流からの保護などもPC用電源の役割です。

PC用電源の使用用途

PC用電源は、様々なタイプのパーソナルコンピュータの稼働に欠かせません。それぞれのPCタイプに最適な電源の選択が、その性能と寿命に重要な影響を与えます。

1. ノートPC

ノートPCの電源は通常、外部ACアダプターと内部バッテリーの両方から供給されます。このようなデバイスは、電力効率と軽量性が重視され、しばしば内蔵バッテリーによって移動中も使用可能です。

2. 小型のデスクトップPC

小型デスクトップPC (ミニタワーやスモールフォームファクター) では、スペースが限られているため、コンパクトな電源ユニットが必要となります。これらのシステムでは、通常、200Wから300Wの電源が使用されます。

3. ミドルタワー以上のデスクトップPC

これらの大型デスクトップPCでは、複数の内部デバイスを駆動する必要があるため、より高出力の電源が必要となります。400Wから600Wの電源が一般的です。

4. ゲーミング用のデスクトップPC

高性能なグラフィックスカードとプロセッサを搭載したゲーミングPCは、大量の電力を必要とします。これらのPCには、通常600Wから1200W、場合によってはそれ以上の電源が使用されます。

5. サーバーとデータセンター

これらのシステムは、連続的な稼働と高い信頼性が求められ、しばしば冗長性を持たせるために複数の電源ユニットを使用します。それぞれの電源ユニットは、サーバーの電力需要に応じて500W以上のものを使用します。

 

以上のように、PC用電源は、使用するPCの種類とその必要とするパフォーマンスによって大きく異なります。これらの用途に合わせて適切なPC用電源を選ぶことで、各PCがその最高のパフォーマンスを発揮できます。

PC用電源の原理

PC用電源は金属製の板やパンチングメタルなどの筐体を持っており、そのうち1面が外面に露出する前提で作られています。露出面には商用電源の入力ソケットを持ち、コンピュータ内部側には出力や制御信号線からなる給電用電線、または電線接続用のソケットを備えています。

筐体内部の構成要素は、スイッチング式の電源回路・ヒートシンク・冷却ファンです。スイッチング式の電源回路は、商用電源で使用されているAC (交流電気) からDC (直流電気) へ変換し電流を安定供給させる役割があります。

ヒートシンクはアルミニウム製で、電源回路に搭載されている半導体素子を冷却します。筐体内部では大容積を占めているものです。冷却ファンは1基か2基を筐体のいずれかの面に備えてあります。コンピュータ内部または外部から取り込んだ空気で筐体内部の熱を奪い、温まった空気をコンピュータ外部へ強制排出したりコンピュータ内部の気流の生成に用います。

PC用電源の種類

PC用電源には様々なサイズや電力出力を持つものがあります。

1. ATX (英: Advanced Technology Extended) 電源

ATX電源は、今日のデスクトップPCのほとんどに標準装備されています。信頼性があり、効率的で、基本的なコンピューティングタスクからハイエンドのゲームやプロフェッショナルなワークステーションに対応する様々な電力出力を提供します。

2. SFX (英: Small Form Factor) 電源

SFX電源はATX電源の小型版です。スペースが限られている小型PCでの使用を目的として設計されています。

3. EPS (英: Entry-level Power Supply)

電源: EPS電源は、一般的にサーバー環境や高性能ワークステーションで使用されます。サーバーグレードのコンポーネントの高い電力要求を処理し、高可用性のための冗長性のような機能をサポートするために設計されています。

4. 外部電源アダプター

これらは通常、ノートPCや一部の小型なデスクトップPCで使用されます。筐体内部に配置される代わりに、外部ユニットとして、ACをDC電源に変換してPCに供給します。

5. 冗長電源

これらの電源は、ミッションクリティカルなサーバーやデータセンター向けに設計されています。1つの電源が故障した場合にバックアップを提供し、連続した運用を保証します。

PC用電源のその他情報

1. 80PLUS

パソコン用電源ユニット (PSU) の性能を評価するための認証として、80PLUSがあります。この認証は、エネルギー効率、つまり電源がどれだけの電力を効果的にPCのコンポーネントに変換できるかを示しています。

効率が高ければ、無駄な電力消費を抑えることができ、PCの動作中に発生する熱も低減します。最も変換効率がよいものにはTitaniumのグレードが与えられ、変換効率はおおむね90%以上となります。その他、Platinum、Goldとスペックが下がっていき、Standardのものであっても80%以上の変換効率が保証されています。

2. PC用電源の寿命

PC用電源の寿命は短く、一般的には3~5年で交換が必要といわれています。電源は壊れやすいパーツであるため、止めることができないミッションクリティカルのシステムを設置するサーバーなどでは、多重化を行い機器故障による障害確率を低下させる対策が必要です。

PC用電源の故障は、PCの全パーツに対して電源供給の停止を意味するため、異常な電源断によるパーツ故障があります。電源が安定しない、突然PCが停止するなどの故障の兆候が見られた際には、早期の電源交換をおすすめします。

長期間利用しているPC用電源からは、異音の発生があります。これも故障の兆候なので、PCから変な音がした時には電源が故障している可能性が高いです。

参考文献
https://www.atmarkit.co.jp/fpc/pcmainterepair/pcmr006/pcmr006_04.html
https://www.nipron.co.jp/product_info/technical_dictionary/2_1.htm
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/electric_electronic_design/ee01/a0146.html
https://jp.rs-online.com/web/c/power-supplies-transformers/power-supplies-psus/pc-power-supplies/
https://torano-maki.net/guide/course/power_supply.html
http://www.pasonisan.com/customnavi/z1012power/01yakuwari.html
https://kakaku.com/pc/power-supply/guide_0590/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です