マイクロねじとは
マイクロねじとは、カメラや眼鏡、精密機器などに使われる小径のねじのことです。
頭部分が他のねじに比べて小さく、ねじのサイズもとても小さいのが特徴です。具体的には、M2以下のねじが該当します。材質は鉄や黄銅、ステンレスなど多様にあり、使用用途によっても変わります。
マイクロねじの別名は、精密機器用十字穴付き小ねじ、0番ねじ、精密ねじ、カメラねじ、眼鏡ビスなどです。一般的に流通している十字ねじのドライバーは、JISによって1番から3番までの番号で大きさが決められています。マイクロねじは1番よりも小さいため、ドライバーのサイズは0番と表記されます。
マイクロねじの使用用途
マイクロねじは、精密機器のような細かい機器に使用されます。私たちの身近な例は、カメラや眼鏡です。
最近では、機械の小型化が進んでいることもあり、マイクロねじの使用用途も広がりました。それに伴い、0番よりもさらに小さなネジの需要も多くなり、00番と呼ばれています。
マイクロねじの原理
マイクロねじであっても、締結の原理は一般的なねじと同じです。ねじのリード角と呼ばれる螺旋状の斜面を使って、回転力を引っ張り力に変換しています。
緩やかな斜面を登ることによって、小さな回転力であっても大きな引っ張り力が得られます。ただし、マイクロねじはねじサイズが小さいため、大きな軸力を期待すべきものではありません。
大きなトルクで締結しようとすると、ヘッドの十字溝もなめてしまうので、注意が必要です。
マイクロねじの種類
マイクロねじの種類には、0番1種と呼ばれるものから、0番3種と呼ばれるものまであります。0番という部分は前述のとおり、ねじ頭のドライバーの大きさのことを表します。
1種から3種という部分は、ねじ頭の大きさと厚みのことです。数字が大きいほど、ねじ頭が大きく、そして厚くなっています。また、ヘッド部分には、ナベ頭と皿頭の2種があります。
ナベ頭は上面に丸みがあるねじ頭のことを指し、皿頭は上面が平たんになっているねじ頭のことです。ナベ頭は1種から3種までの大きさがあり、皿頭には1種と3種があります。
マイクロねじのその他情報
1. マイクロねじの主な材質と表面処理
マイクロねじの材質には、主にスチール、ステンレス、チタン、黄銅などがあります。材質は強度に関わり、特に人命にかかわる機器の設計であれば、十分に検討する必要があります。
電食も重要な要素です。電食とは、マイクロねじの材質と相手の機械要素および固定する対象物との材質が異なると、金属の電位差が生じて腐食する現象です。例えば、マグネシウム合金の製品に鉄のねじを締結し、締結部位に水がかかると、マグネシウムと鉄の電位差によって電食現象が起こります。
マイクロねじの表面処理には、黒色塗装や三価クロメート、クロメートメッキ、ニッケルめっき、クロームメッキなどがあります。電食による腐食対策や外観品質、価格に応じて選びます。
2. マイクロねじを使用する際の注意点
- マイクロねじと相手側のねじが壊れないよう、締め付ける力が許容範囲内であること。
- マイクロねじと相手側のねじに加わる、繰り返しの力 (振動などによる) が、許容範囲内であること。
- マイクロねじの座面 (お互いに接触する側の面。工具が触れる面ではない) に加わる圧力で、締め付ける対象物 (金属や木材など) を陥没させないこと。
- マイクロねじと相手側のねじを締め付けることで、締め付ける対象物を壊さないこと。
参考文献
https://www.rakuten.ne.jp/gold/nejiya/201308micro_neji.html
https://www.urk.co.jp/contents/elements/element26.html
https://www.akaneohm.com/column/denshoku2/
https://www.nbk1560.com/