ステンレスサッシ

ステンレスサッシとは

ステンレスサッシ

ステンレスサッシとは、日本では窓枠に代表されるサッシ (sash:帯) がステンレスという材質で作られた建材の一つです。

通常サッシといえば、アルミサッシが多く使われていますが、材質的にはステンレスの方が強度的にも外観的にもステンレスの鏡面のようなあでやかさで有利です。アルミがサッシの材質として好まれる要因の一つに、安いことが挙げられます。

通常ステンレスの方が、アルミより単価 (kg当たり) 的には安いですが、比重がアルミより大きいため同量で比較するとアルミが安くなるからです。このような違いもあり、ステンレスサッシはアルミサッシと上手に使い分けされています。

ステンレスサッシの使用用途

ステンレスサッシは、ステンレス鋼 (鉄にクロムを一定以上まぜたもの) を原材料としているため、耐食性に優れ強度も増しています。

一方でステンレスサッシは、硬いがために逆に加工の難しさがあり、さらに値段もアルミサッシより高いことから、使用する場所もある程度限定されています。

たとえば、ステンレスサッシはマンションや商業施設、オフィスといったビルのエントランスの自動ドアと組み合わせたところや強度が求められる場所 (たとえばエスカレータの乗降台) に多く使用されるようになりました。また、ステンレスサッシは「特定防火設備」といい、建物内部で発生した火災を外部に出さないようにする為の防火戸としての役割も果たします。

その際は、ステレンスサッシと耐熱強化ガラスを組み合わせる必要があります。外装材や壁で覆われていないため、救助活動の際、中の様子を確認しやすいです。また、錆にも強いことから、海に近い建物のドアや窓などにも使用されています。

ステンレスサッシの特徴

長所

1. 高級感がある
表面の仕上げ方法として、鏡面仕上げ・ヘアーライン加工などの表面仕上げがあります。いずれの仕上げ方法でも、アルミサッシには出せない高級感が演出できます。

2. 耐久性が高い
もともとステンレスは強度が高いため、耐久性に優れています。高さや重いガラスが必要になるオフィスビルの入口、商業施設のファサードなどによく使用されています。

短所

1. 加工しにくい
ステンレスは材質が固いため、複雑な加工がしにくいです。止水性などの精密さが求められる住宅用サッシには、不向きと言えます。

2. 重量がある
ステンレスには強度がある分、重量があります。住宅に使用する場合、取り付ける箇所の強度が必要になったり、窓を手で開けるには重くてうまくスライドできなかったりする恐れがあります。そのため、機械で動かす自動ドアなどに最適です。

ステンレスサッシの選び方

ステンレスには艶があり高級感を持った素材で、なおかつ強度が高いため、高級感や高さがある入口が必要なオフィスビルや病院、大学などの様々な大型施設向きと言えます。建物入口の回転ドアやエントランスの窓に使われたり、外装仕上げとしてカーテンウォールのフレームにもステンレスサッシは使用されます。

しかし、熱伝導率が低く、外気を伝えやすいことから、室内空間の快適性が求められる戸建てにはほとんど使用される事はありません。建物の顔となる部分に使用される場合が多く、表面の仕上げ方法や色使い、建物全体の外観とバランスがあっているかという点も配慮することが大切です。

ステンレスサッシのその他情報

1. ステンレスサッシの表面仕上げ方法

文字通り鏡のように仕上げる「鏡面仕上げ」、一方向に細かい筋を入れる「ヘアーライン加工」、円を描くように研磨された「ソフトバイブレーション加工」など様々な加工があります。人が通る箇所なら、ヘアーライン加工などの加工を施すことによって、指紋や傷、少しの凹みなどが目立ちにくくなります。

2. ステンレスサッシの色付け

色をつけるなら塗装が一般的ですが、普通のペンキを使用しても塗料がステンレスに乗らずうまくいきません。そのため、薬品の中にステンレスを沈め、表面に人工的に酸化被膜などをつくり、色付けする手法があります。ステンレスの持つ美しさを生かしつつ着色することで、選択の幅も広がります。

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