クロスローラーガイドとは
クロスローラーガイドは、精密ローラーを交互に直交させて組んだ有限ストロークタイプの直線案内です。剛性の高い、しかも動きの軽い直線運動が得られるので、特に精度、剛性の要求が高い直線案内に適しています。似ている部品に、ボールガイドがあります。
クロスローラーガイドと同じ役割で、ローラの部分がボール(剛球)に変わっただけです。一般的に、クロスローラーガイドの方が高価で長持ちします。また、厚み方向にはクロスローラーガイドの方がコンパクトです。
クロスローラーガイドの使用用途
クロスローラーガイドは、一般的に軌道台と呼ばれるパーツを平行移動するために用いられます。一定区間を俊敏な動作が必要になる場合に多用されています。
例えば「OA機器および周辺機器」「各種測定器」「プリント基板穴明機」などの精密機器や「光学測定器」「光学ステージ」「ハンドリング機構」「レントゲン装置」などのスライド部に使用されています。また「工場内での製品の移動や仕分け」「可動軸の支持装置」として活用されています。
クロスローラーガイドの原理
クロスローラーガイドは、精密ローラーを交互に直交させて組込んだローラーケージを、専用レールに設けられた90°V溝転動面に組合わせて使用します。2列のクロスローラーガイドを平行に組付けることにより、4方向の荷重を負荷することができます。また、予圧を与えられるので、隙間が極めて小さくなり、剛性が高くなります。剛性とは、振動や衝撃に対する頑丈さの指標です。これにより、さらに動きの軽いスライド機構が得られます。精密ローラーを交互に直交させて組込んだケージが、レールに設けられたV溝をストロークの1/2だけ移動するため、とてもコンパクトで、剛性の高い直動システムです。
耐久性の高いクロスローラーガイドが必要な場合は、剛性が高い型式を選びましょう。特に、ローラ間のピッチが短く、ローラ本数が多い型式ほど剛性が高いことが分かっています。さらに、内部にラック・ピニオン機構を内蔵することで、ガイドのずれが、ほぼ発生しなくなります。