オイルろ過装置

オイルろ過装置とは

オイルろ過装置は、油圧機器に用いる潤滑油や作動油を劣化した状態から油を再生するための装置です。通常、機器に用いる油は、劣化した油を廃棄し、新しい油に入れ替えます。しかし、この方法では、新油の購入費用や油の廃棄費用、環境負荷の増大など、あらゆる問題を生じます。そのため、油を再生して再利用することは、コストの削減や環境負荷の低減などの観点からも大切になります。

また、オイルろ過装置は、油圧機器を作動させながら、油のろ過が可能なため、油圧機器の故障を防ぐことにもつながります。なぜなら、油圧機器の故障は、大部分に作動油の汚染が影響しているからです。よって、オイルろ過装置を導入することで、油圧機器の安定した稼働が可能となります。

オイルろ過装置の使用用途

オイルろ過装置は、主に油圧機器を導入している工場において使用されています。油圧機器は、製鉄機械や工作機械の動力源として使用されているため、製品の生産において、必要不可な機器です。

近年では、24時間体制で生産している工場も数多く存在しており、油圧機器の故障は、安定した稼働において障害となります。

また、オイルろ過装置は、油圧機器に使用する作動油や潤滑油以外にも、食品や自動車業界でも活用されています。例えば食品業界では、外食産業が挙げられます。食品を揚げるフライヤーには、食品用の油が使用されており、古い油を使い回していると、揚げ物がベタベタしたり、不純物が食品に付着することで、品質の劣化を招きます。そのため、オイルろ過装置で油をきれいにすることで、油代の削減や品質の安定を図っています。

自動車業界では、自動車の加工に使用するクーラント液の「ろ過装置」として利用されています。クーラント液は、消防法で「危険物・第四類・第三石油類」に分類されており、作動油なども該当しています。

オイルろ過装置は、切削加工の際に生じる切りくずやスラッジを回収することで、クーラント液の寿命を延ばし、消費量を低減させています。

オイルろ過装置の原理

一般的なろ過の方法は、多孔性のろ材に油を通過させて固体粒を除去する仕組みで行われています。この方法以外では、磁石や遠心力を利用して油の酸化生成物を除去する仕組みがあります。このトピックでは、最も広く取り入れられている多孔性のフィルターについて解説します。

多孔性のフィルターは、油の流れや固体粒の補足などによって「表面式:Surface Type」「エッジ式:Edge Type」「多孔体式:Depth Type」の3種類が存在しています。

1. 表面式

表面式は、単純なろ過方式を採用しており、フィルターの表面のみでろ過を行います。そのため、フィルターによる圧力損失が少ないが、固体粒の吸収容量も少ないです。フィルターは、主に目が粗い場合には、金網が用いられており、目が細かくなれば、紙に石炭酸樹脂をしみこませ、加熱成形を行うことで、目の細かさを調整しています。

2. エッジ式

エッジ式は、ろ材の周囲から半径方向に沿って、隙間をつくり、油が通過する際にろ過を行います。この方法は、流体圧力が高いときに採用されます。また、ろ材を繰り返し使用することが可能です。

3. 多孔体式

多孔体式は、ろ材の外側だけに固体粒がつまってしまわないように注意する必要があります。フィルターには、薄いフェルトや圧縮した綿、セルロース繊維、フランネル、石綿などを成形したもの、もしくは金属粉を焼結などにより固めたものが使用されています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です