ポリエステル粉体塗装

ポリエステル粉体塗装とは

ポリエステル粉体塗装とは、粉末状の塗料を被塗物に塗装するための塗装方法です。粉体塗料として「イソシアネート硬化系」「プリミド硬化系」「TGIC硬化系」の3種類が一般的に使用されています。

他の樹脂塗料と異なり、アセトンなどの溶剤を使用していないため、人体や環境に優しい塗装方法として、急激に普及してきている塗装方法です。また、1回で塗装できなかった塗料は、再利用することができるため、コストを抑えることができます。

強度がある膜を形成することが可能で「耐食性」「耐候性」「耐薬品性」「耐ピッチング性」に優れた性能の塗装ができます。

ポリエステル粉体塗装の使用用途

ポリエステル紛体塗装は、1回の塗装で厚みのある強靭な膜を形成することができます。ポリエステル樹脂粉体塗料は、他の樹脂塗料と比べても性能上大きな欠点をとらない、非常にバランスのとれた塗料です。

塗装された被塗物は、強度、硬度、耐候性が高いため、屋外用として、その他には建材などに多く利用されています。

具体的には、屋外用建築資材、屋外用バルブ、ガーデニング用品、自動車や電気機械用の内装部品、家電製品、屋内用建具、地上式消火栓、自動販売機、フェンスなどです。

ポリエステル粉体塗装の種類

粉体塗装は、粉末状になっている塗料を静電気の力を使って付着させ、その後、乾燥炉で溶かし、固める塗装方法です。粉末状の塗料を付着させる方法として「静電粉体塗装法」と「流動浸漬法」の2種類の方法があります。

1. 静電粉体塗装法

高圧発生器に繋がった塗装ガンに粉末状の塗料を入れます。マイナスに帯電した粉末塗料を被塗物に噴射します。この時、被塗物は、アースに繋げられてプラスに帯電しています。塗料と被塗物が静電気的に引き付けられ、付着します。その後、乾燥炉で焼付します。50μ程度の薄膜を形成でき、厚みの管理を行うことができます。

静電粉体塗装法では、熱硬化性のポリエステル粉体樹脂塗料が使用されます。
「耐薬品性」「耐候性」「高硬度」に優れています。

2. 流動浸漬塗装法

圧縮空気により粉末状の塗料が飛散している中に、余熱された被塗物を入れることで付着させます。その後、一部の工程では加熱を行うところもあります。
通常200~500μmの膜厚を付けることが可能です。そのため、耐食目的の塗装に使用されます。

流動浸漬塗装法では、熱可塑性ポリエステルなどの熱可塑性粉体塗料が使用されます。耐候性に優れ、汚れにくく、表面光沢があります。

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