シマジン

シマジンとは

シマジン (Simazine) とは、除草剤の主成分で、トリアジン骨格 (C7H12ClN5) を有する無臭かつ類白色水和性粉末です。

本剤を用いた製剤は、水和剤や粒剤に加工されて除草剤として市販されています。除草剤の作用機構は、根から吸収された後に植物体内に移行して、光合成を阻害することによって成長を抑制し、枯死させると考えられています。

シマジンは地域によっては使用規制があるので、用いる前には確認が必要です。購入時に名前や住所などの届け出が必要になるケースもあります。また、シマジンの安全性は普通物の扱いですが、分解が遅く薬害が強いので、土壌汚染対策法においては「第3種特定有害物質」、農薬取締法においても「水質汚濁性農薬」に指定されています。

水質汚濁性農薬なため、河川や湖沼、海域及び養殖池に流入しないように使用することが重要です。

シマジンの使用用途

シマジンは、主に除草剤として用いられております。水質汚濁性農薬であることから、散布後に流出しやすい水田よりも畑地で使用される場合が多いです。

雑草に対する登録が幅広く、野菜、雑穀、豆類、果樹、花き、西洋芝、日本芝等に対して適用があります。芝に使用できることから、農業関係者以外の方が使用するケースも多いです。

シマジンは雑草発生前に均一に土壌散布することで、長期間雑草の発生を抑制する効果があります。特にホトケノザやアカザ、スズメノテッポウなどの一年生雑草やエノコログサやオヒシバ、メヒシバなどのイネ科雑草に対して効果が高いです。また、気温により効果に影響がでないため夏作、冬作のどちらでも使用できます。

シマジンの特徴

長所

  • 多くの種類の農作物に登録があり、一度の散布で長期間雑草の発生を抑制できます。
  • 水のない環境でも使用することができます。
  • 芝に使用できることから、庭の芝内に発生する雑草対策に効果的です。

短所

  • 水質汚濁性農薬のため、購入時の届け出や使用時に外部に流出、飛散しないよう注意が必要です。
  • 雑草の背丈が大きくなると効果が劣るため、雑草の発生前、または伸びた雑草を一度刈ってから使用する必要があります。

シマジンの種類

シマジンは形状によって、次のような種類に分けることができます。

1. シマジン粒剤

シマジン粒剤は、形状が粒状です。日本芝、西洋芝 (ティフトン) に発生する一年生雑草に登録があり、高い効果を発揮します。散布方法は土壌全体に散布を行います。

2. シマジン水和剤

シマジン水和剤は、形状が粉状です。水和剤は水に希釈して使用します。水に希釈すると不透明な液体になり、放置しておくと沈殿ができます。

果樹類やクワ、ソラマメの一年生雑草に登録があり、散布方法は希釈して土壌全体に散布を行います。

3. シマジンフロアブル

シマジンフロアブルは、形状が液体です。フロアブルは水に希釈して使用し、その際に泡立ちが少なく、葉や果実などの汚れが軽減します。

シマジンフロアブルは、シマジン粒剤と同様に日本芝、西洋芝 (ティフトン) に発生する一年生雑草に登録があります。散布方法は希釈して土壌全体に散布を行います。

シマジンその他情報

シマジンを使用する上での注意点

  • 散布時は手袋やマスクを着用し、目や鼻、肌に直接かからないように注意が必要です。
  • 降雨時、または降雨が予想されている場合は、雨で薬剤が流されてしまう可能性があるため、散布を延期する必要があります。
  • 1回の栽培において、使用回数が1回に定められています。また、シマジンを含んだ農薬の総使用回数も1回と定められているので、複数回の散布を行わないように注意が必要です。
  • 散布を行う周辺に登録のない作物や広葉作物がある場合、散布液が飛散したり、流れ込まれたりしないよう注意して散布する必要があります。
  • 持続期間が長いので、散布後短期間内に作付けを行う場合には発芽等に影響がでることがあるため、注意が必要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です