レーザー微細加工とは
レーザー微細加工とは、レーザーを微小な面積に集中的に照射することで被加工材に穴や溝を掘る加工です。金型を使用する加工に比べてバリが発生せず、高精度でなめらかな加工をすることができます。特に微小な領域に細かい加工を施す場合に用いられます。
使用するレーザーの波長には様々な長さのものがあり、それぞれに適した用途があります。超短波パルスレーザーが最も一般的に用いられています。また、穴や溝を掘る以外にもマーキング加工や溶接加工など様々な加工方法があります。
レーザー微細加工の使用用途
レーザー微細加工は、バリやドロスが少なく、なめらかな仕上がりに加工することができます。また、加工する部分に照準を合わせて加工できるため熱による変形が少ないです。レーザー微細加工は、材質に接触することなく精密な加工を行うことができ、多様な材質にも対応しているという特徴があります。
具体的には様々な加工方法にレーザー微細加工が用いられていますが、代表的なものは穴や溝を掘る加工です。これらの加工は、回路基板やフィルムへの穴あけ、半導体の製造などに用いられています。
レーザー微細加工の種類
- 使用するレーザーの波長
レーザー微細加工には使用するレーザーの波長によって近紫外線レーザー、遠紫外線レーザー、超短波パルスレーザーの3種類があります。近紫外線レーザー微細加工は、355nm~532nmの波長の電磁波を用いたレーザー加工で、マイクロ加工や微細穴加工、薄膜表層加工などに用いられます。
遠紫外線レーザー微細加工は、157nm~308nmの短い波長の電磁波を用いたレーザー加工で、微細穴加工や大面積加工、リングラフィーなどに用いられます。
超短波パルスレーザー微細加工は、1000nm前後の長い波長の電磁波を用いたレーザー加工で、透明体内部加工や3D光導波路加工、高機能非熱加工などに用いられます。使用する電磁波の波長によってナノ秒レーザー、ピコ秒レーザー、フェムト秒レーザーなどの名で呼ばれます。
- 加工方法
レーザー微細加工を使った加工方法には様々なものがあります。以下にその実例をご紹介します。マイクロプレート加工は、アクリルやABSなどをレーザーによって微細加工する技術で、理系研究分野で多く用いられています。
マーキング加工は、材料に熱によるダメージを与えることなく微細加工を行うことができます。樹脂やセラミックに加え、銅や金などの加工が難しい材質にも対応しています。
穴あけ加工は、バリのない精密な穴を数十μメートル規模であけることができます。微細な穴を集中的にあけることも可能です。