監修:株式会社シーユーアイ・ジャパン
ブザーとは
ブザーとは、警告や通知を行うための装置やデバイスです。
主に音を出して注意を喚起するために使用されることが多いですが、光や振動を使った製品もあります。急な緊急事態や危険な状況が発生した際に、迅速かつ効果的に人々の注意を喚起することが可能です。緊急時には素早い対応が求められるため、ブザーはその役割を果たします。
また、複雑な言葉やテキストを使用せずに情報を伝えることが可能です。特に音や光を使ったブザーは視覚的・聴覚的な情報を提供するため、わかりやすい通知手段となります。一般的には高い音量や光を伴うため見逃すことが少なく、大勢の人々に対して注意を引くのに最適です。
ただし、 高音や大音量のブザーは周囲の騒音を引き起こす可能性があります。特に静かな環境や住宅地域では騒音問題につながる可能性があるため、適切な音量と使用頻度に注意が必要です。
ブザーの使用用途
ブザーの一般的な使用用途は下記の通りです。
1. 緊急通報
火災報知器は火災が発生した際に煙や熱を検知して高音のブザー音を発し、住民や建物内の人々に火災を警告します。煙検知器や熱感知器と連動して使用されることが一般的です。また、部屋や建物への不正侵入や盗難などの異常状況が検出された際に、騒音やライト点灯などの手段で警告を発することも可能です。センサーが異常を検知し、アラームを起動させます。
2. スポーツ
バスケットボールの試合では、ゲームの終了時や攻撃時間の制限の終了時にブザー音を使用してタイミングを通知します。また、野球などにおいても会場へのアナウンスにブザーを使用することも多いです。
3. 産業・製造業
生産ラインや工場内で、特定の作業の開始や終了などを知らせるために使用されます。作業者はブザー音を聞いて次の作業手順に進むことが可能です。これにより、作業負荷を減らして効率化することが可能です。また、機械や設備の異常を検出してオペレーターに警告を発するために使用されることもあります。異常状況が検出された際に自動的にアラートを発することで、生産中のトラブルを早期に対処することが可能です。
ブザーの原理
ブザーは音を発生させるための電子的なデバイスであり、共鳴と振動の相互作用によって音を生成する仕組みです。基本的なブザーの構造は、振動体と駆動回路からなります。
振動体は、通常は薄い金属板やプラスチック製の板状部品です。この板は音波を効果的に伝えることができるように選ばれます。振動体は駆動されると振動し、空気中の音波が発生します。駆動回路は、振動体を振動させるための電流を制御する部分です。この回路には振動体を振動させるための適切な周波数の電流が供給されます。一般的にはオシレータ回路が使用され、定常的な振動を生成するための信号を生成します。
ブザーの駆動周波数や振動体の材質などは発生する音の特性に影響を与えます。この振動体と駆動回路の相互作用を利用して、さまざまな音を発生させるために使用されるデバイスです。
ブザーの選び方
ブザーを選ぶ際には、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。
1. テクノロジー、構造および比較
音響ブザーにはピエゾブザーと磁気ブザーがあります。使用されるアプリケーションは同じですが、いくらかの違いがあります。
磁気ブザーは、マグネットとコイルからなり、電磁誘導により駆動します。
図1. 典型的な磁気ブザーの構造
ピエゾブザーは、電圧印加により機械的ひずみを起こす、圧電材料の容量性ディスク(圧電セラミック)を利用し、動作します。
図2. 典型的なピエゾブザーの構造
表1. 磁気タイプとピエゾタイプの比較
2. 駆動回路
ブザーには、駆動回路の内蔵されたインジケーターブザーと、外部駆動で動作するトランスデューサーブザーがあります。インジケーターブザーはプラグアンドプレイが可能な一方、トランスデューサーブザーは発信する周波数を設定することが可能かつ、駆動回路がない分、小型です。
図3. ブザーの駆動回路
3. 定格電圧
ブザーは一定の電圧範囲で適切に動作します。選ぶ際には使用する電源や駆動回路の電圧に合わせて定格電圧を選ぶことが重要です。定格電圧を超えて駆動するとブザーが劣化するなど、正常な動作をしなくなる可能性があります。
4. 実装方式
表面実装型やスルーホール実装型など様々な実装方式が存在します。使用する基板や応用用途に合わせて、適切な実装方式を選ぶことが重要です。
図4. 実装方式
5. 形状
ブザーの形状は用途や設置スペースに合わせて選ぶ必要があります。設置場所や外観デザインに適した形状を選ぶことが非常に重要です。
図5. 形状
6. 音圧
ブザーの音圧は発する音の大きさを示す指標です。使用環境や用途によっては、高い音圧が求められる場合もあります。音圧はデシベル (db) で表され、大きな値ほど大きな音を発生させることが可能です。
本記事はブザーを製造・販売する株式会社シーユーアイ・ジャパン様に監修を頂きました。
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