柳刃鏝とは
柳刃鏝とは、狭い場所や手の入りづらい場所などの塗り仕上げに使うコテの一種で、左官道具の一つです。
名前のとおり、柳の葉のようなかたちをしています。四半鏝と呼ばれることもあります。コテの中でも小型なタイプのため、中塗り鏝を使うような平坦な部分塗りでなく、細かく複雑な部分に土やモルタル、漆喰などを塗るときに便利です。造園施工の現場で、細かい部分の塗面や、敷石、延段などの側面の塗り仕上げをするときにも使われます。
柳刃鏝の使い方
柳刃鏝を握るときは、利き手の親指、人差し指、中指、で柄部分を軽く握り、薬指、小指は柄部分に添える程度にして軽く持ちます。
卵を握るような感覚で、コテの柄部分と手のひらの間に少し空間ができるように持ちます。力を入れて押さえるような作業をするときは、コテの首部分に向かって体重をかけるようにしながら、親指に力を入れて押さえます。
作業が終わった後は、コテについた材料をよく洗い流し、乾いたタオルで水気をよく拭き取ります。
柳刃鏝の選び方
柳刃鏝には、大きさ、コテ部分の素材などにさまざまなものがあるため、作業する環境や目的に合わせて適切なものを選びます。以下に柳刃鏝を選ぶときのポイントをまとめます。
- 大きさ
柳刃鏝の大きさは、コテ部分の縦の長さとコテ尻幅、コテ肩幅で表されます。作業する面積や場所に合わせて適切な大きさのものを選ぶ必要があります。 - コテ部分の素材
コテ部分が本焼きの場合は、不純物が少なく安定した硬さがあります。硬さがあるため反りが出にくく、モルタルなどの材料がくっつきやすい反面、材料を伸ばしやすい特徴があります。コテ部分がステンレスの場合は、強度もあり錆びにくく、手入れも簡単です。ただし滑りが良いため、モルタルを使用した作業にはあまり適していません。
コテ部分が地金の場合は、鏝あたりが良いため、押さえのときに発生しがちなコテ圧による光ムラなどが起きにくく、ムラのないきれいな仕上げをすることができます。ただしとても柔らかい素材のため、取り扱いには十分注意する必要があり、モルタルを使用した作業には適していません。