作業ベルトとは
作業ベルトとは、作業着を着るときに腰に巻きつけるベルトです。作業ベルトは普通のベルトよりも頑丈に作られているため、工具類を入れた作業袋をぶら下げたり、ちょっとした工具類をくくりつけたりすることもできます。また、作業ベルトには普通のベルトにあるような穴はなく、ベルトをバックルで挟んで固定するタイプが一般的です。
作業ベルトは、上下がセパレートになっている作業着を着用している場合に、作業着のパンツがずり下がってくることを防ぎ、パンツの裾を踏んで転倒してしまうなどの事故や怪我から作業者を守ります。ただし、作業ベルトは安全帯や命綱に使うことはできません。
作業ベルトの使い方
作業ベルトを作業着のベルト通し(ベルトループ)に通し、バックルで固定します。バックルのタイプによって固定の方法が異なります。
ワンタッチ式バックルの場合は、バックルのロック箇所とベルトの長さを調節する箇所が別々になっているため、装着前に身体の大きさに合わせてベルトの長さを調節しておきます。作業ベルトの長さは、腰骨の上の位置でしっかりと締まる長さが適切です。装着時は、あらかじめ長さを調節したベルトをベルトループに通し、バックルをはめます。
ローラー式バックルの場合は、ベルトをベルトループに通したあと、バックル部分にあるローラー芯を動かし、ベルトの生地を軽く挟み込み締め付け度合いを調節します。そのあと、ベルトの生地を引き絞り、ローラー芯をしっかりと嚙みこませてベルトを固定します。
フィンガー式バックルの場合は、スライドバックル部分を開き、ベルトの先端部分を通したあと、バックル部分の穴にベルトを差し込みます。余ったベルトは必ずベルト通しに通します。
くくりつけたい工具類の数が多く重くなってしまう場合は、クッション入りのサポートベルトを作業ベルトの内側に巻くことで、腰の痛みを和らげることができます。
作業ベルトの選び方
作業ベルトは、自分のウエストに合った長さを選ぶことが重要です。締め付けがきつすぎると作業中に体調不良になる可能性があり、事故や怪我につながります。また、作業着のベルトループの幅を確認し、ベルトがベルトループにスムーズに通るものを選びます。ベルトの幅とベルトループの幅が合っていない場合、フィット感に欠け、安全性も低下します。以下に作業ベルトを選ぶときのポイントをまとめます。
素材
ナイロン素材のものは、濡れてもすぐに乾きやすい、摩擦に強い、耐久性が高いなどの特徴があります。軽いので腰への負担も軽減することができます。
綿素材のものは、吸水性に優れており、質感も柔らかいため、腰によくフィットします。作業ベルトを長時間つけることが多い方の腰の負担を軽減することができます。
革素材のものは、しなやかで腰にフィットしやすく丈夫で長年使い続けることができます。しかし、水に弱く、汗などのにおいもつきやすいため作業ベルトとしてはあまり適していません。
エナメル素材のものは、革の表面を樹脂でコーティングしているため、耐水性が革よりあります。しかし、暑さや熱に弱く、温度が高いところで使用した場合は表面が溶けてくることもあるため、作業ベルトとしてはあまり適していません。
ゴム素材のものは、伸縮性があり腰にしっかりと巻き付けることができます。またよく水をはじき、においもつきにくいため、水中や水辺で作業する場合に適しています。
バックル
- ワンタッチ式バックルは、装着前にあらかじめ身体の大きさに合わせてベルトの長さを調節し、バックルの位置を決めておくことで、ワンタッチでベルトの着脱をすることができます。作業ベルトの着脱がしやすいだけでなく、不意に外れてしまう可能性も低く、安全に使用できます。
- ローラー式バックルは、バックルにベルトを挟み込んで固定するため、ベルトの長さを無段階で調節することができます。微妙なサイズ調整が可能なため、より作業者の体形にフィットした状態で作業ベルトを装着することができます。
- フィンガー式バックルは、その時々の作業着の状況に対してすぐにベルトの長さの調整をすることができます。作業状況によって作業着の厚みや形態が変わる現場や、着脱が頻繁にある現場に適しています。