電工ハサミとは
電工ハサミとは、電気工事の現場で配線整備をするときに、電話線やコンピュータ配線などの配線を切断するための工具です。また、自動車などのメンテナンスや設備機器、家電などの配線作業にも使われます。
電工ハサミは普通のハサミよりも刃部分が短く分厚いため、少ない力で配線を切断することができます。配線工事で使われる配線は、内側にある本線を傷めないよう、外側を硬く柔軟性のある素材でおおわれています。そ
のため、普通のハサミでは切断することが難しく、切断できた場合でも切断面が乱れます。電工ハサミで配線を切断することで、少ない力できれいな切断面を残すことができます。
電工ハサミの使い方
切断したい配線を刃部分に挟み、ハンドル部分を手で握って刃を閉じることで切断します。
切断中に配線が逃げないように、刃部分にしっかり挟み込みます。配線が硬い場合は、刃先よりも刃の奥部分に配線を挟み込んだ方が少ない力で切断することができます。切断したい配線に対して刃を直角にあてることで、切断時に配線がずれたり、逃げたりすることを防ぐことができます。
刃部分にロック機能があるものは、切断作業が終了したらロックをかけてから収納します。
電工ハサミの選び方
電工ハサミを選ぶときは、最大切断能力と、切断可能な材質を必ず確認します。さらに、ハンドルの形状や機能性もさまざまなものがあるため、作業する環境や目的に合わせて適切なものを選びます。以下に電工ハサミを選ぶときのポイントをまとめます。
ハンドルの形状
ハンドル部分が、ペンチやニッパーなどと同じ形状をしているスティックタイプの場合は、ハンドルをしっかり握ることができるため、刃部分に力が伝わりやすく、切断力が非常に高くなります。しかし、普通のハサミのようにハンドル部分が円形になっておらず、指で刃部分の操作ができないため、細かい作業や高所での作業には向いていません。
ハンドル部分が、普通のハサミのように円形になっているタイプの場合は、指で刃部分の操作ができるため、手首を返しながら細かい作業をすることもできます。また、ハンドル部分に指をかけているため、電工ハサミを落下させる危険性も低いです。しかし、指の力で刃部分を動かすため、切断力はあまり高くありません。
機能性
腰道具として頻繁に持ち歩いて使う場合は、軽量で収納時に刃部分が開いてしまわないようにロック機能がついているものや、安全ロープが取り付けられる穴がついているものがおすすめです。