はかり

はかりとははかり

はかりとは、物質の重量を測定する道具の総称です。

比較的大きなもの (宅配便の荷物や食料品の計量など) を測定する「はかり」と、比較的少量で繊細なもの (病院や薬局の薬など) を測定する「天秤」があります。

はかりと天秤はそれぞれ、デジタル式とアナログ式に分類されます。デジタル式のはかりは対応する大きさや重量が幅広く、アナログ式よりも普及率が高いです。しかし一方で、アナログ式のはかりも使用用途によっては需要があるため、両者の使い分けが必要です。

はかりの使用用途

はかりはデジタル式とアナログ式で使用用途が異なります。

1. デジタル式はかり

デジタル式のはかりは、調合薬の計測のような微細なものから、郵便物の重量計算など大きなものまで幅広く使用されます。例えば調合薬の計測には、非常に精度が高い電子天秤が用いられ、郵便物の重量計算には、最大50kgまで測れるような大型のはかりが活躍します。

電子天秤は、高精度である反面、空調や湿度、振動などの使用環境や作業者の影響を受けやすいです。そのため、計量前に環境の見直しや、天秤自体の点検を行う必要があります。業者による定期的なメンテナンスも重要です。

2. アナログ式はかり

アナログ式のはかりは、高精度を必要とせず、スピード感のある作業を行う際に便利です。もちろん、デジタル式のはかりと同様、比較的小さなものから大きなものまで測定できます。しかし、デジタル式に比べて安価でメンテナンスが容易であること、電源や電池が必要ないことが、アナログ式はかりのメリットです。

はかりの原理

アナログ式のはかりは、ばねばかりとも呼ばれ、吊り下げタイプ、上皿タイプ、台タイプがあります。ばねの弾性力を利用して重量をはかる計量器です。一方、アナログ式の天秤は、天秤の片方に測定物、もう片方に分銅をのせることで、重量をはかります。

キッチンスケールなどデジタル式のはかりの原理は、ロードセル式です。測定物を天秤に載せた際の電気抵抗を元に、重量をはかります。

デジタル式の天秤は、一般的に電磁式とロードセル式に分類されます。電磁式は、アナログ式の天秤で用いる分銅の代わりに電磁力を加えて、その電流の大きさを重量としてはかる方法です。ロード式より電磁式の方が、より精度が高く測定できると言われています。

はかりの選び方

はかりを選ぶ際は下記のポイントに注意して選定します。

1. 対応重量

はかりはすべて、対応できる最大重量が設定されています。そのため測定物の重量は、はかりの対応重量以下であることが原則です。対応重量を超過している場合、正確な重量測定が行われず、はかり自身の破損にも繋がります。

破損を起こさないためには、測定物の重量に対して、多少の余裕があるはかりを選択することが大切です。また、特定計量器を選定する際は、最大測定量だけでなく表示目量を重視する必要があります。

2. 表示目量

表示目量とは、はかりが測定可能な最小値のことです。必要な表示目量をあらかじめ確認した上で、適したはかりを選定することが大切です。

例えば、電子天秤のように1μgまで計測できるはかりで、郵便物を測定はしないはずです。あまりに微細な目量まで検知しようとすると、数値の安定が遅くなります。

3. 積載面寸法

積載面寸法とは、測定物をのせる皿の大きさです。測定物のサイズが収まるような皿の大きさを持つ測定器を選ぶことが大切です。

例えば、粉末や液体を容器に入れて測定する場合は、その容器のサイズよりも大きい皿を選ぶ必要があります。皿寸法よりも大きいものを積載すると正確な計量ができないためです。

はかりのその他情報

特定計量器とは

特定計量器とは、適切な計量を行うために、計量法で定められている基準を満たした計量器のことです。取引・証明に使用する場合は、デジタル式、アナログ式共に特定計量器に指定されたものである必要があります。取引は商売で使用すること、証明は計量したものが正確である証拠です。

取引・証明に検定証印や基準適合証印のない計量器を使用した場合は、罰則を受けます。

参考文献
https://bunseki-keisoku.com/article/normal/electronic-balance
https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/12_gaiyou_keiryouki1.html

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