コンクリートカッターとは
コンクリートカッターとは、コンクリートやアスファルトのような硬い対象物を切断するために使用される工具 (工事機械) です。
人の力でコンクリートを切断する作業が「斫り」であるのに対し、コンクリートカッターのような工具の力で切断する作業は「解体」と呼ばれます。人力による切断作業と比較した場合、コンクリートカッターを使用したときの方が、騒音や振動を軽減することができます。
また、発生する粉塵の量も少なく抑えられ、高精度で切断ができる点がメリットです。
コンクリートカッターの使用用途
コンクリートカッターは、主に建設作業や解体・補修作業で使用されます。
具体的な使用例は下記のとおりです。
- アスファルト舗装やコンクリートの切断
- 雨水の排水用溝入れ作業
- 瓦やタイルなどの切断
- 配管や電線の敷設時の溝切り
- ビルの解体や橋の撤去作業
- 災害や事故発生時の人命救助
など、多くの役割を持ち様々な業種で使用されます。
コンクリートカッターの原理
コンクリートカッターは、装備された円形のブレードを電気またはエンジンの力で、高速回転させることで、コンクリートや石材などを切断します。ブレードは、金属で作られた基板の上にダイヤモンドの砥粒がちりばめられています。
この硬質なダイヤモンド砥粒で対象物を削ることで、硬い素材でも効果的に切断可能です。
コンクリートカッターの選び方
コンクリートカッターを選ぶときのポイントは、用途に応じて種類とブレードの寸法を検討することです。
1. コンクリートカッターの種類
コンクリートカッターは、主に3種類に分類されます。使用場所、用途に応じて適切なタイプを選びます。
ポータブルコンクリートカッター
手で持てる大きさで、コンクリート、タイル、瓦の切断に使用する工具です。小型で軽量なタイプからブレードが大きい大型のタイプまで、様々なタイプの製品があります。
持ち運びが容易であるため、大型の機械を持ち込むことができない場所や、移動を多く伴う現場などでの使用に適しています。
コンクリートカッター・ドラム
コンクリートやアスファルトなどを切断する際に使用する、大きめの工具です。下部にドラム状の刃 (ダイヤモンドブレード) を備えており、機械後方を作業員が手で押しながら使用します。
コンクリートカッター・ウォールソー
コンクリート建造物の壁を切断するための工具です。設置したレールに沿って、ダイヤモンドブレードを動かしながらカッティングします。モーターで動く自走式のブレードにより対象物を切断するため、施工後の切り口が均一できれいな切断面に仕上げることができます。
2.ブレードの寸法
対象物の大きさから切断深さが求められ、それによりブレードの寸法が決まります。切断深さの調整方法も確認したうえで、選ぶことが重要です。
3. 走行方法
コンクリートカッターの走行は、「手押し式」「半自走式」の2種類があります。カッターのサイズが大きい場合は、半自走式を選択すると作業効率が向上します。工事機械としてのコンクリートカッターは、半自走式が大半です。
4. タイプ
コンクリートカッターには、「湿式」と「乾式」があります。湿式は水をかけてブレードを冷却するタイプで、乾式は水を使用しません。舗装路の切断では湿式が使われます。
コンクリートカッターのその他情報
コンクリートカッターの使い方
コンクリートカッターでねらい通りに切るためには、対象物へ下書き線を、きれいに引いておくことが大切です。カッターを起動させ、ブレードの回転が、安定するまで対象物から離して待ちます。
回転が安定したところで対象物にブレードを当てると、切断することが可能です。コンクリートカッターは、手前から奥に向かって、動かしていきます。
コンクリートカッターの使用時は、粉塵と騒音に対して、準備をする必要があります。そのため、保護メガネ、手袋、防塵マスク、イヤーマフなどの保護具を必要に応じ使用します。