プレッシャークッカー試験とは
プレッシャークッカー試験とは、100℃以上かつ高湿な条件下に電子製品などを設置し耐湿性を評価するための試験のことです。
電子製品が置かれる通常の環境よりもさらに高温かつ高湿な条件で試験を実施するため、試験槽内の水蒸気圧力が試験サンプルの内部の水蒸気分圧よりかなり高い状態になります。
そのため試験サンプルである電子製品の中により短期的に水分の侵入を可能にし、耐湿性を確認する上でも加速試験として使用できます。
プレッシャークッカー試験の使用用途
プレッシャークッカー試験では高温高湿な条件下での電子製品内への水分の侵入が確認できます。
電子製品などは基板部分が樹脂などで覆われていることが多いですが、高湿環境下で電子製品内に水分が侵入すると、中の絶縁抵抗特性やアルミの腐食へ影響を与えかねません。そのため電子製品においては、湿度に関しての耐久性が求められます。湿度ストレスに関する加速試験が可能なため、電子部品などを出荷する際の試験項目に入っていることが多いです。
プレッシャークッカー試験の原理
プレッシャークッカー試験では100℃以上かつ高湿度の条件に設定する必要があるため専用の装置が必要です。
まず、試験槽で温度や湿度、圧力を設定することで行いたい試験条件を作ります。決められた時間試験サンプルを設置し、その後プリント配線板の絶縁劣化などいくつかの項目を確認していきます。
プレッシャークッカー試験の種類
1. 不飽和プレッシャークッカー試験
不飽和プレッシャークッカー試験は、湿度85%の環境下で行われます。電子機器関連の製品において環境試験の1つとして定められており、国際規格でもその基準などが規定されているものです。
2. 飽和プレッシャークッカー試験
飽和プレッシャークッカー試験は、湿度100%の環境下で行われます。不飽和プレッシャークッカー試験に対して湿度がより高いため、極端に試験サンプル内の水蒸気圧を高めることができ、水分の侵入を加速できるので加速試験として使用されています。