IoTとは
IoTとは、人間が使うデバイスだけでなく、さまざまなモノがインターネットに接続され、相互に情報をやり取りができるようになる技術です。
「Internet of Things」の略称で、さまざまなデバイスがインターネットに接続されることで、従来は不可能だった多様なサービスやビジネスが生まれるようになります。例えば、自動車や家電製品などのデバイスがインターネットに接続されることで、遠隔から操作ができたり、自動的に情報を収集したり、分析ができるようになります。
IoTの使用用途
IoTは、医療、物流、製造業、農業、交通など多くの分野で活用されています。
1. 医療
医療現場では、患者の健康状態をリアルタイムにモニタリングができます。例えば、心臓発作や脳卒中の発生を予測し、早期治療を行えます。
2. 物流
物流現場では在庫管理や配送管理を効率化ができます。例えば、倉庫内の商品の位置を把握し、効率的な在庫管理を行えます。
3. 製造業
製造業では、生産ラインの監視や品質管理を効率化ができます。例えば、生産ライン上の機器の故障を予測し、予防保守を行えます。
4. 交通
交通分野では、渋滞緩和や安全運転の促進ができます。例えば、自動運転技術により、ドライバーの負担を軽減し、安全運転に寄与ができます。
5. 家庭
家庭での活用例として、スマートフォンから家電製品を操作ができるスマートホームシステムなどが挙げられます。
IoTの原理
IoTに必要な要素は、「モノ」「センサー」「通信手段」「アプリケーション」の4つです。これらの要素が組み合わさることで、IoTシステムが構築されます。
1. モノ
モノとは、IoTシステムでは制御対象となる物理的な対象物のことです。例えば、自動車や家電製品、自動販売機、産業用機器などが該当します。
2. センサー
センサーとは、温度や湿度、照度などモノ周辺の物理量を計測するセンサーのことです。モノにセンサーを備えることによって、さまざまな情報を取得できるようになります。
4. 通信手段
通信手段とは、IoTデバイス同士やIoTデバイスとクラウドサービス間でデータをやり取りするための通信手段です。モノをインターネットに接続するには、従来のWi-Fiや4G、5G通信では消費電力が大きいため、バッテリー駆動で長期間動作させるモノには不向きです。
一方で、データ量や転送速度は一部を除きそれほど大量かつ高速性は求められていません。そのようなIoT向きの通信方式として、LPWA (英: Low Power Wide Area) などが提唱されていて、発展途上にあります。
4. アプリケーション
アプリケーションとは、IoTシステムを制御や分析、表示するためのアプリケーションのことです。例えば、スマートフォンアプリやWebアプリケーションが該当します。
IoTの特徴
今までインターネットにつながれていない機器 (モノ) をつなぐこの技術によって、いろいろなことが実現できるようになります。IoT技術で実現できることは、「IoTでモノを操作する」「IoTでモノの状態を把握する」「IoTでモノ同士が通信する」の3つに大きく分けられます。
1. モノを制御する
IoT技術を活用すれば、インターネットを通じて離れた場所にあるモノの操作ができます。例えば、スマートフォンから家電製品を操作したり、パソコンなどで複数の農業機械を遠隔操作したりすることが可能です。
2. モノの状態を知る
IoT技術を活用すれば、センサーなどを使って、モノの状態や周囲の様子をリアルタイムに把握ができます。例えば、自動車のタイヤの空気圧や温度などをリアルタイムに把握し、適切なタイミングでメンテナンスが可能です。
3. モノ同士の連携
IoT技術を活用すれば、複数のモノ同士が通信し合い、連携して動作ができます。例えば、自動車と交通管制装置や家庭内にある複数の家電製品が互いに情報をやり取りし、より快適な生活や効率的な運転が実現されます。
参考文献
https://mono-wireless.com/jp/tech/Internet_of_Things.html
https://www.sato.co.jp/rfid/word/14.html