フラットケーブルとは
フラットケーブル (英: flat cable) とは、複数の心線を並列に束ねて平面状にした機器間配線用ケーブルです。
1本の心線は樹脂製の絶縁体で被覆された細い導線で作られていて、ケーブルの数は10本程度から100本程度まで様々です。幅が比較的狭いフラットケーブルはリボンケーブル (英: ribbon cable) と呼ばれる場合もあります。
フラットケーブルは複数の信号を一度に送れるため、パラレル・インタフェース機能を持つ機器を接続する際に使われます。
フラットケーブルの使用用途
フラットケーブルは、複数の信号を同時に送るパラレル・インタフェース向きのケーブルです。コンピュータや周辺機器、通信機器、事務機器など、パラレル・インタフェース機能を持つ機器同士の配線ケーブルとして使用されます。
平面状で柔らかく折り曲げて配線できる反面、強度が弱くノイズが混ざりやすいことが欠点です。外部機器との配線ではなく、パソコン内部のハードディスク、ドライバ、ボードの配線など電子機器の内部配線に使われます。 フラットケーブルの具体例として、SCSIケーブルやIDEケーブルなどが挙げられます。
フラットケーブルの原理
フラットケーブルは、銅箔で作られた平らな電線を並列に並べた状態にしたものを柔軟性がある絶縁体フィルムで上下から挟み込み、接着剤で圧着して作られています。
1. 絶縁体フィルム
絶縁体のフィルムには銅線を保護する役割があります。フレキシブルフラットケーブルの場合には、一般的にポリエチレンテレフタレートが使われます。
2. 接着剤
接着剤にはエポキシ系が使われているため、耐熱性がある程度あります。
3. コネクタ接続部
コネクタ接続部は導体が露出した状態です。耐久性の向上や取り回しの改善のために、胴体部の素材よりも硬い補強板が貼り付けられています。
フラットケーブルの構造
フラットケーブルは名前の通り形状が扁平なことが特徴です。平らな絶縁体の上に複数の導体が並べられ層状にラミネート加工が施されていることが、他の円形ケーブルと違う点です。特徴的な構造のため、嵩張りが少なく優れた屈曲性を有します。
フラットケーブルは平らな形状のため、他のケーブルに比べて柔軟性が高く、ケーブルが絡まる可能性が低いです。狭い場所や曲がりくねった経路を通す場合にも役立ち、スペースも節約できます。軽量なため設置や運搬が容易で、一般的に製造コストも低いです。
フラットケーブルの種類
フラットケーブルには様々なタイプがあり、用途に合わせて最適なものを選ぶことが重要です。
1. ブリッジ形
ブリッジ形は最も一般的な種類です。心線が完全に融着されています。
2. スダレ形
スダレ形は一定間隔で交互に心線が融着された部分と融着されていない部分が存在します。融着されていない箇所が長いタイプが多く、ブリッジ形よりも柔軟性があります。筐体の形状が複雑な場合に向いています。
3. ツイストペア形
ツイストペア形は、スダレ形の融着されていない箇所を2心線ずつねじり合わせてツイストペア構造にしたタイプです。ブリッジ形やスダレ形と比較して、隣接する他線からの漏話やノイズに強いです。
4. その他
スダレ形を丸めてシールドを被せたものは、丸型ケーブルと呼ばれています。丸型ケーブルは強度やノイズに強く、電子機器内や外部機器間の配線に用いられます。
フラットケーブルのその他情報
使用上の注意点
フラットケーブルは曲げに弱く、折り曲げると断線しやすいです。圧迫に弱いため、鋭利な物や重い物で圧迫すると破損する可能性があります。さらに湿気や埃にも弱いです。安全で快適に使用するためには、使用環境に十分注意しなければいけません。
参考文献
https://jp.rs-online.com/web/c/cables-wires/ribbon-flat-cable/
https://www.okidensen.co.jp/jp/prod/cable/equip/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/el_wire/E1405000000/E1405040000/