板ばねとは
板ばねとは、薄板の形状をしたばね材のことです。
板材を弾性範囲で押すまたは引く作用で使用し、材質は主に、鉄、鋼、ステンレス、銅などが用いられます。材質だけでなく、板厚や形状を利用し、曲げ加工や寸法を用途に応じて変えることで、さまざまな曲げ強さを作り出すことができます。
板ばねの種類は、一枚の板だけで構成される薄板ばねだけでなく、何枚も板を重ねた重ね板ばねもあります。また、円形をした皿ばねも板ばねの一種であり、ぜんまいなどの渦巻きばねも板ばねに分類されます。
板ばねの使用用途
板ばねの使用範囲は広く、産業機器、自動車、航空機、宇宙衛星、医療機器、建築金物、玩具等、広範囲に使用されているため、我々の暮らしに重要な役割を果たします。
板ばねは、弾性力を利用した緩衝用としての用途、ぜんまいに代表されるように復元力を利用した復帰用としての用途、弾性力を利用して物を押さえつける締結用の3つが主な使用用途になります。これらに加え、金属の導電性を利用した電気的な接点として用いられることもあります。
板ばねの原理
板ばねは、金属などのを薄板形状を弾性範囲内の荷重をかけて使用しているものです。製造にはレーザ切断機やタレットパンチャによる切断、プレスブレーキによる曲げ加工などで形成することができるため、コイルばねと異なり形状や大きさの制限が少なく、用途や使用箇所に合わせたものを作成できます。
板ばねに荷重が加わった際の応力やたわみ量は計算で求めることができます。板ばねの適切な箇所での使用や形状をするために、許容応力や変形量は設計時に計算する必要があります。しかし、板ばねは形状が複雑になるほど、形状や固定方法、負荷のかかる方向などで特性が変化しやすくなり机上の計算結果の誤差が大きくなります。
複雑な形状をした板ばねは計算によるシミュレーションだけでなく試作品での品質評価を求められますが、板ばねは重要な部品でありながら製造コストをかけられない部品でもあるため、似たような形状の板ばねが使用できる箇所では部品を流用することが望ましく、設計データの蓄積が重要となります。