ネオンランプとは
ネオンランプとは、ネオンガスを封入したガラス管の中でグロー放電を起こすことで発光する照明機器です。
アルゴンガスなどと組み合わせたり、透明管と蛍光管を使い分けたりすることで様々な色に発光させることができます。ガラス管の中に2枚の電極が取り付けられ、外部から電圧を制御することによってグロー放電を発生させます。
近年では、LEDが照明機器として主流となりつつありますが、ネオンランプも同様に使用されています。消費電力が少なく、長寿命であること、発熱せず衝撃などにも強いことなどがメリットです。
ネオンランプの使用用途
ネオンランプは、ガラス管中にネオンガスを封入し、発光させるランプです。様々な演出や照明として使用されており、歓楽街の照明が代表例です。近年では、室内のインテリアとしての利用例もあります。
そのほか、ネオン発光式検電器も用途の1つです。ネオン管の電流が人間を介して地面へと流れることを利用した検電器で、電池が不要という利点がありますが、絶縁手袋をはめていると利用できず、感電のリスクがあることに注意が必要です。
図1. ネオン式検電器
ガスを封入するガラス管自体を曲げたり伸ばしたりする加工をすることで、文字表現として使用することも可能です。ガラス管の太さを調整することで、ネオン管の発光強度を調整できます。消費電力が少なく、長寿命であることから、終夜灯や表示灯 (パイロットランプ) などの照明として長時間利用されることもあります。
LEDが登場するまでは最もポピュラー照明機器の1つでしたが、今も上記のような場面で使用されています。
ネオンランプの構造
図2. ネオンランプの構造
ガラス管の中に、鉄あるいはニッケルの2枚の電極を配置し、ネオンガスを10~15mmHg程度の低圧で封入した構造をしています。ガラス管は透明なものだけではなく、内側に蛍光塗料を塗布したものを利用する場合もあります。
ネオンガスは透明管では赤色に、蛍光塗料を塗布した管ではピンク色、オレンジ色に発光します。
ネオンランプのその他情報
1. ネオンランプの発光
電極間に電圧を印加すると、電極間の電子が電場によって加速され、ネオンガスに衝突し、正電荷の陽イオンと電子に電離します。
生じた陽イオンは陰極に衝突し、陰極からは二次電子が放出されます。放出された二次電子が陽極へと移動することで大きな電流が流れます。この現象がグロー放電です。
この電流 (二次電子の流れ) は、ガラス管内のネオン原子を励起するのに十分なエネルギーを持っているため、ネオン原子は励起されます。励起された原子が基底状態に戻る際に、エネルギーバンド間のエネルギー差に応じた波長の光を発します。ネオン原子の場合、赤色の光として観測されます。
2. グロー放電の特徴
グロー放電が始まると、一部のガスはイオン化されさらに電子を発生します。これが繰り返されると電子なだれにより、電極間に定常的に0.1~10ミリアンペアほどの電流が電極間に流れます。低圧気体中で持続的な放電が起こることが、グロー放電の特徴です。
図3. グロー放電の概略図
ネオンランプにおけるグロー放電開始電圧は70V程度、放電終了電圧は60V程度であり、安定した放電を続けるためには安定した電圧を供給する必要があります。そのため、蛍光灯などと同様に安定器とセットで利用されることが一般的です。
なお、電極間の電圧をさらに上げるとアーク放電となり、ネオンガスはより不安定な状態になります。このときに観測される光は青白色へと変化します。アーク放電はアーク溶接に利用されることからもわかるように、非常に高い熱を発生するため注意が必要です。
参考文献
https://kotobank.jp/
https://www.intl-lighttech.com/instrumentation-sensor-light-sources/neon-lamps
https://www.homemade-circuits.com/neon-lamps-working-and-application-circuits/