ボンド

ボンドとは

ボンド

ボンドとは、コニシ株式会社が生産する接着剤全般のことです。

商標として登録されており、酢酸ビニル樹脂エマルジョンを主成分とした木工用がよく知られています。

接着対象に応じて成分は選択され、他の接着方法や接合方法よりも素早い可能です。対応可能な材質が多く、ねじれに対する耐性面も優れています。しかし接着にある程度の面積が必要であり、熱や引き剥がす力に弱い点が課題です。

ボンドの使用用途

家庭用、建材用、工業用などの幅広い用途の接着を目的としてボンドは使用されています。

最も用いられているボンドは商品名「木工用ボンド」で、木材、紙、布等の接着に適しています。金属やプラスチックの接着には別の製品を使用可能です。

PEやPP等の一部の材質はそのままでは接着に不向きなため事前に熱や酸を用いて表面処理を行う場合があります。アクリル系はアクリル樹脂を用いて表面を溶かして接着させる場合があります。

ボンドの原理

代表的な木工用ボンドの場合には接着成分である酢酸ビニル樹脂が溶媒である水にコロイドの状態で存在し、水を蒸発させると酢酸ビニルが固まり接着作用を発揮します。乾燥硬化型接着剤と呼ばれ、多くの材質に適用可能です。ただし耐水性や耐熱性が少し低く、平滑面に接着する必要があります。

主剤と硬化剤と呼ばれる2種類の成分を混ぜ合わせて使用するタイプを化学反応型接着剤と呼び、シリコーンゴム系やエポキシ樹脂系の製品が該当します。接着力が強くて水や熱への耐性も優れていますが、2種類の成分を使うためコストがやや高く、低温では接着に時間が必要です。

接着剤は被接着面で、機械的結合、物理的接着、化学的接着の3種類の相互作用を発揮します。機械的結合は接着剤が表面の凹凸部分に入り込んで釘のように対象同士を繋げ、物理的接着は被接着面と接着剤の間で働く分子間相互作用を、化学的接着はボンドと被接着面の構造変化を利用します。

ボンドの種類

1. 木工用ボンド

最も一般的なボンドです。木、紙、布などに使用され、水性のため扱いやすいです。白い液が乾燥して透明になり、よく手芸やDIYでも用いられます。

2. 布用ボンド

布の接着に特化したボンドです。リネンやコットンのような布素材に用いられ、裁縫せずに裾上げが行えます。クラフト用やフェルト用なども販売されています。

3. プラスチック用ボンド

一般的にプラスチックの接着は難しいです。プラスチックには、アクリル、塩ビ、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがあり、材質によって性質が違います。プラスチック用ボンドと記載されていても接着する材質に合うか確認が必要です。

4. 硬化剤入りボンド

硬化剤が含まれ、主剤と混合して接着させます。硬化剤が混合された1液タイプと使用時に混合する2液タイプがあります。化学反応により接着するため強力です。ガラス、陶器、金属などの幅広い素材に適しています。

ボンドの選び方

1. 硬化時間

瞬間接着タイプのボンドは短時間で完全に接着部分が硬化します。瞬間タイプは数十秒で、速乾タイプは半日ほどで硬化し、作業の硬化時間を短縮可能です。瞬間タイプは接着後にやり直しできない製品もあり、DIYに慣れていない場合には速乾タイプが向いています。

2. 耐水性

ボンドは一般的に水に弱く、水を使う場所や湿気の多い場所には向いていません。耐水タイプのボンドは雨や水に濡れても接着力を保持できます。ガーデニングアイテムのような屋外用途や水に濡れるコースターに適しています。

3. ノズル

繊細な工作では少しずつ接着剤が塗布できる細口ノズルのボンドが適しています。それに対して家具の修復のような広範囲に塗布する場合には太いノズルのボンドを選択すると効率的に作業ができます。

4. 安全性

水性タイプは手に付いても石鹸やお湯で落とせます。ボンドにホルムアルデヒドのような化学物質を使っていないか確認が必要です。瞬間接着剤は手で固まると落としにくく、衣服のような布に付着すると発熱して火傷する危険性もあります。

参考文献
http://www.bond.co.jp/bond/common/support/pdf/bondbook/bonding_all.pdf
https://www.cemedine.co.jp/basic/index.html

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