水素発生装置

水素発生装置とは

水素発生装置とは、水や天然ガスを反応させることによって水素を生産する装置です。

水素は以前は大規模な工場で生産され、必要な場所にボンベ等を用いて運搬されていましたが、可燃性ガスであるため取り扱いに注意が必要でした。

水素発生装置は必要な場所で水素を生産することが可能なため、運搬、保管に伴うリスクを軽減します。また、原料は水や電気、天然ガス等いずれも容易に入手可能なものであり、機械のメンテナンスも容易です。

水素発生装置の使用用途

小型の水素発生装置は主にガスクロマトグラフィーで用いられる FIDに水素燃料を供給する目的で使用されています。

製品によっては生成する水素の純度を上げるため、発生したガスをパラジウム等で処理することがあります。

一方、大型の水素発生装置は金属の生産や原油の脱硫、燃料電池向けなど、水素が大量に必要とされる場合に利用されますが、使用する電気のコストや副生成物である二酸化炭素の取り扱いに課題を抱えています。

水素発生装置の原理

最も一般的な水素発生装置は水が電気によって分解される原理を利用しています。

電気分解の方法としてはKOH水溶液を用いるアルカリ水電解法とイオン交換膜を用いた固体高分子形水電解法が存在し、いずれも水に電子を供給することによって陽極に酸素、陰極に水素を発生させます。前者は生成効率に優れていますが、特に小型の装置では取り扱いに注意が必要なアルカリ溶液を使用しない後者の方法が好んで利用されます。

一方、大型の水素発生装置では天然ガスやナフサに水を反応させ、水素を取り出す水蒸気改質法が取られており、例としてメタンを用いた場合、800℃以上の高温の水蒸気を作用させることにより、二酸化炭素と水素を生成させます。

水蒸気改質によって発生させた水素は電気分解の場合と比較して不純物が多いため、圧力変動吸着法を用いて分離することによって精製します。また、原料に都市ガスを用いる場合、臭い付けの為に含まれている硫黄分を取り除くための装置が必要になります。

参考文献
https://www.peakscientific.jp/discover/articles/how-does-a-hydrogen-generator-work/
https://www.nedo.go.jp/content/100639759.pdf
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/suiso_nenryo/pdf/018_01_00.pdf

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