水処理装置

水処理装置とは

水処理装置

水処理装置とは、水を処理し安全かつ利用可能な水に変える装置全般を指す言葉です。

水処理には、給水処理と排水処理があります。

給水処理は、上水を生成するためのプロセスで水源から取り入れた水を浄化して飲料水や産業用水として提供することを目的としています。この過程では、まず物理的な処理が行われ、ろ過や沈殿によって水中の不純物不純物や浮遊物を除去します。次に、化学的処理が行われ、微細な不純物や微生物を除去します。

一方、排水処理は家庭や工場などから排出される下水を処理し、環境への影響を最小限に抑えることを目的としています。排水処理装置によって、汚水から有害物質や微生物を取り除き、環境への負荷を軽減し、水質を改善します。

水処理装置の使用用途

水処理装置は生活に根差した処理装置ですが、市販で見られることはほぼありません。インフラなどに使用されています。以下は主な用途の一例です。

1. 浄水場

各市町村が保有している浄水場は、巨大な水処理装置と言えます。主に上水を沈底ろ過させて、塩素を添加して飲料に適した性質にした後に一般家庭や商業施設へ送水しています。

2. 排水処理場

下水処理施設も生活を支えるインフラの一つです。下水道から流入した汚水を無害化して海洋に放流する役割を果たします。

3. 産業

産業の用途としては、工業用水の処理などに広く使用されます。工場などでは機械の冷却などを目的に多くの水を使用します。これらの水を工業用水と呼びます。

工業用水は溜池や河川から導入することが多く、その水質によって配管の閉塞等が懸念されます。配管の詰まりによって冷却水が減少した場合、冷却不足による生産性の低下やメンテナンス費用の増加が懸念されます。水処理装置を使用して、工業用水を清浄化することで、これらの問題を防止することが可能です。

水処理の原理

水処理の原理は、物理的、化学的、生物学的なプロセスを組み合わせて、水を浄化し、安全な水にすることです。

物理的処理:水中の大きな不純物を取り除くために、ろ過や沈殿などの物理的な手法が使われます。ろ過では、水をろ過媒体(砂、砂利、活性炭など)を通して通すことで、固体や微生物を捕捉します。沈殿では、重い粒子が水中から底に沈殿し、不純物を分離します。

化学的処理:化学薬品を使用して、水中の不純物や微生物を凝集・沈殿させたり、化学的に分解・中和したりします。凝集剤や消毒剤を添加して、微小な不純物や病原体を除去し、水を浄化します。

生物学的処理:微生物や生物を活用して、有機物や窒素、リンなどの汚染物質を分解・除去します。生物反応槽や湿地処理などの方法が用いられ、微生物が有機物を酸化分解することで、水を浄化します。

水処理装置の種類

水処理装置は、主に給水処理と排水処理の2つに分類されます。また、給水処理は、海水淡水化処理と浄水処理に分けられます。排水処理は下水処理と工業排水の処理に分けられます。

1.海水淡水化処理

現在では逆浸透膜(RO膜)と呼ばれる部品を使用することが一般的です。逆浸透膜とは、塩素等の電解質イオンを通さない膜です。逆浸透膜を介して海水に圧力を加えてろ過すると、純水のみがろ液側に排出される仕組みとなります。雨が降らない地域では、海水を淡水化して上水として使用することもあります。

2.浄水処理

全国各地に設置されています。ダム等で土砂を沈底させた後、薬液を添加してPH調整を行って沈底ろ過を繰り返します。最終的に塩素を加えて殺菌し、各地へ送水する仕組みとなっています。

3.下水処理

合併浄化槽を使用することが一般的です。嫌気性微生物によって、汚水を比較的無害な排水へと処理した後に海洋へ放流します。

4.工業排水の処理

浄水処理と似た構造ですが、最終的に海へ放流する点が最大の違いです。排水の性質から、添加剤を加えてPH処理を行い、処理汚泥を分離ろ過した後に処分場等へ運搬します。ろ液は、県庁等との取り決めを満たした処理水とした後に海洋へ放流されます。

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