フィードスルーコンデンサ

フィードスルーコンデンサとは

フィードスルーコンデンサとは、電子回路を構成するフィルタ素子の一種で、フィードスルー接続を行うコンデンサのことです。

フィードスルー接続とは、ノイズを除去したいラインのパターンをカットし、その間に部品を挿入する方法です。広範囲の周波数へのノイズ対策としてよく用いられます。

フィールドスルーコンデンサは、3端子を持つコンデンサが一般的で、リードタイプやチップタイプがあります。貫通コンデンサやEMIフィルタとも呼ばれます。

フィードスルーコンデンサの使用用途

フィードスルーコンデンサは、ノイズカットフィルタとして、電子機器の電源ラインなどに用いられます。近年、電子機器は省電力化による低電圧化・高周波化が進み、ノイズ対策の重要性も高くなってきています。

フィードスルー接続は、電源ラインに直列に貫通させて接続させることが一般的です。電源ラインに直列に接続させるため、デカップリング用として優れたノイズ除去効果があります。デメリットとしては、チップ内に直接電流が流れるため、素子の定格電流などの制限を受けることです。

フィードスルーコンデンサの原理

一般的に用いられるコンデンサの一つとして、チップ積層セラミックコンデンサなどがあります。このようなコンデンサは2端子のコンデンサです。

薄い誘電体のシートを挟み、内部に電極が積層されている構造です。静電容量を確保する構造ですが、内部にはわずかなインダクタンス成分が残ります。そのため、高周波になっていくと残留インダクタンスが無視できなくなり高周波特性の低下が起こります。

フィードスルーコンデンサなどの3端子コンデンサは、通常のコンデンサに加え、部品の両側にグランド端子を設けています。誘電体を挟んで直接接続する電極と、グランド電極とを交互に積み重ねる構造です。これによりLCのT型フィルタの構成をとる形になり、グランドの電極が短い距離で接続されるため、インダクタンス成分による影響が小さくなります。

そのため、一般的なコンデンサと比べてインダクタンス成分の影響が小さく、高周波領域まで性能が低下せずノイズを除去するのに適した部品構造です。

参考文献
https://article.murata.com/ja-jp/article/basics-of-noise-countermeasures-lesson-5
https://www.maruwa-g.com/products/electronic-parts/emc-cat4.html
https://product.tdk.com/ja/techlibrary/solutionguide/3tf04.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です