温度センサーとは
温度センサーとは、温度を計測するセンサーのことです。
接触式と非接触式に分類可能です。接触式の温度センサーは、温度を測定したい測定対象物に接触させます。熱平衡状態になった時の温度を測定する方式で、熱電対や白金を用いた抵抗体、サーミスタなどがあります。
非接触式の温度センサーは、測定対象の発する赤外線を検知可能です。測温するサーモグラフィカメラなどがあります。赤外線は温度が高いほど強いため、赤外線を検知して測定対象物の温度を測定します。
温度センサーの使用用途
温度測定が必要な場面は様々な分野であふれているため、温度センサーの使用用途は多岐にわたります。日常生活では、気温の測定、人の体温を測る体温計などで使用されています。また、部屋や車のエアコンなど、その温度に空間を保つためにも温度測定が必要です。冷蔵庫や冷凍庫の温度制御にも用いられています。
産業分野では、電子機器の冷却が必要な部品や装置などに温度センサーが使用されています。モーターの冷却や装置を冷却するファンを制御して、温度条件を特定の範囲に保つために温度センサーが必要です。
半導体製造の前工程に用いられる半導体製造装置は、精度の高い温度管理が必要な多種多様な装置があります。食品関連の装置にも衛星を配慮するために、温度の監視が重要です。医療や薬品関連でも、薬性によって温度管理が必要です。
温度センサーの原理
温度センサーの種別により原理は異なります。温度センサーである熱電対の温度を測る原理は、ゼーベック効果を利用しています。ゼーベック効果とは、異種金属の一端を接合すると接合端と解放端間の温度差に応じて、熱起電力が発生する現象です。熱起電力が高く安定する金属の組み合わせで熱電対が作られ、工業的に広く利用されています。
白金抵抗体を用いた温度センサーは、金属の抵抗値が温度に対して一定の関係にある現象を使って、温度を測定可能です。白金 (プラチナ) は電気抵抗の温度係数が高く直線性が良いだけでなく、性質が安定しており、広い温度範囲でその特徴を有します。
サーミスタを用いた温度センサーは、白金抵抗体と同様に、温度変化に対して抵抗値の変化が大きい抵抗体を用いた温度センサーです。しかし、白金と比べて直線性はなく低温で抵抗値が大きく、高温で抵抗値が小さくなり非線形です。
温度センサーの種類
温度センサーには、多種多様な種類があります。
1. 測温抵抗体
測温抵抗体は、金属の電気抵抗が温度によって変わる原理を用いた温度センサーです。
2. 熱電対
熱電対は2種類の金属を接続し、温度差で発生する起電力を使った温度センサーです。
3. 放射温度計
放射温度計は物質が放射する赤外線の強度によって、温度を測定します。
4. 圧力温度計や熱膨張式温度計
圧力温度計や熱膨張式温度計は、温度変化で膨張や収縮をする気体や液体を利用した温度計です。
5. バイメタル温度計
バイメタル温度計は熱膨張率が違う金属板を2つ張り合わせています。金属板の温度が変わると、熱膨張率の違いで金属板が反り返る現象を利用しています。
6. サーミスター測温体
サーミスター測温体は測温抵抗体の一種です。酸化物の電気抵抗が変化するため、温度を測定できます。
7. アルコール温度計
アルコール温度計は圧力式温度計の一種です。感温液にアルコールのほか、灯油や水銀などが使われています。
温度センサーの選び方
1. 測温抵抗体
測温抵抗体は精度が良いため、工業用精密温度測定にも適しています。
2. 熱電対
熱電対は工業用温度センサーとして最も使用されており、安価で広範囲の温度測定が可能です。
3. アルコール温度計
アルコール温度計は体温計や寒暖計として利用されます。
4. 放射温度計
放射温度計の構造はシンプルで故障が少なく、工業用温度計に用いられます。
5. 圧力温度計や熱膨張式温度計
動作に電源が必要な圧力温度計や熱膨張式温度計は、監視用に使用可能です。
6. サーミスター測温体
サーミスター測温体は使用可能な温度範囲が狭いです。室温近くで用いるため、自動車、家電、OA機器に利用されます。
7. 放射温度計
放射温度計は非接触式温度計で、遠隔測定が可能です。超高温域の温度測定にも使用されます。
参考文献
https://www.rkcinst.co.jp/products_category/sensor/
https://hayashidenko.co.jp/example.html
https://www.jemima.or.jp/tech/2-01-02.html