単芯ケーブルとは
単芯ケーブルとは、1本の芯線しか内部に存在しないケーブルのことです。
ほとんどの場合、電気回路は平衡状態であることが求められます。単相回路では1相に流れる電流と、もう1相に流れる電流が釣り合う必要があるため、2本以上にケーブルが必要になります。また、3相回路でも、3相の電流の和が等しくなるようにしなければなりません。従って、単芯ケーブルは1本では用をなさないことがほとんどで、2本以上合わせて使うことで電気回路を成り立たせます。
単芯ケーブルの使用用途
単芯ケーブルの主な使用用途はは2種類あります。
一つは、アース線としての使用方法です。アース線とは、大地に埋めた接地極と接続されたケーブルで、対地間抵抗が100Ω以下となるように保たれます。平衡回路が成り立っている状態ではアース線に電流が流れることはありません。配線や機器に異常があった場合に機器に対地間電圧が掛かると感電の恐れがあるため、アース線に電流が流れるようにして安全を担保しています。アース線は大地に電流を流すことが目的の為、1本で使用されます。
2つ目は、電力回路としての使用です。上述したように2本以上組み合わせて電力用として使用するのが一般的です。
単芯ケーブルの原理
単芯ケーブルは多芯ケーブル等と同様の仕組みを取ります。
外装となるシースと芯線を保護する保護被覆を有しており、シースは用途によって様々な材質が使用されます。保護被覆は、低圧回路では安価なビニール等が使用されます。
単芯ケーブルは、単芯で表面積を大きく取れるため、放熱性能に優れています。従って、ほとんどの場合は大電流を取扱うために使用されます。ケーブルラック上や暗渠の中では放熱性能を高めるため、可能な限りケーブル同士積み上げず、平らに積むこととしています。具体的な基準は、国内では電気設備技術基準や内線規程で定められています。また、超特別高圧配電線路に使用する単芯ケーブルは、放熱性を高めるために内部に絶縁油や冷媒を循環させる場合もあります。
また、カメラ用のケーブルとして単芯同軸ケーブルが使用される場合もあります。これは、芯線から絶縁されたシールドが単芯の芯線を覆っており、芯線とシールドで2芯ケーブルのように使用します。アナログ画像信号としてはかつて主流の使い方でしたが、現在はLAN等のデジタル信号に置き換わりつつあります。