伸縮管継手

伸縮管継手とは

伸縮管継手とは、管の長さの変化に対応できるように設計された管継手です。

管継手は、配管と配管を接続・方向転換・分岐する部品を指します。温度変化による配管の伸縮を吸収することができます。伸縮管継手は、管の長さの変化に対応することが可能です。

熱膨張や地震などによって管の長さが変化した場合でも、伸縮管継手はその変化に合わせて伸縮します。また、振動や衝撃を吸収することもできます。配管システムや機械装置の振動や騒音を軽減し、装置の安定性や快適性を向上させることが可能です。

ただし、伸縮管継手は定期的なメンテナンスが必要です。使用状況や環境によっては、伸縮管継手のクランプや留め具の締め直しや摩耗部品の交換などが必要になる場合があります。メンテナンスを怠ると継手の性能が低下し、漏れや故障のリスクも増加します。

伸縮管継手の使用用途

伸縮管継手はさまざまな分野で使用されます。以下は伸縮管継手の使用用途一例です。

1. ヒーターや冷却装置

ヒーターや冷却装置などの熱交換機器では、伸縮管継手が使用されます。熱膨張や振動によって、配管の長さが変化する場合に、伸縮管継手がその変化を吸収し、配管の応力を軽減することが可能です。これにより、熱交換機器の効率や安全性を向上させ、設備の寿命を延ばします。

2. ガス配管

ガスパイプラインなどでは、伸縮管継手が使用されることも多いです。地震や地盤の変動によってガス管の伸縮や変位が生じる場合に、伸縮管継手がその変化に対応します。パイプラインの安全性を確保し、供給システムの効率を向上させることが可能です。

3. 船舶

船舶や海洋施設の建設でも伸縮管継手が使用されます。海上での振動や波浪による変位や変形に対応するため、配管に伸縮管継手が組み込むことが多いです。船体や施設の可動性や耐久性を確保し、環境変動に対する適応性を向上させます。

4. 自動車

自動車など排気システムでは、エンジンからの排気ガスを効率的に排出するために伸縮管継手が使用されることも多いです。エンジンの振動や温度変化により、排気管の長さが変化する場合に伸縮管継手がその変化を吸収します。

高温や振動による配管の破損や漏れを防止し、排気システムの効率や信頼性を向上させます。

伸縮管継手の原理

伸縮管継手の原理は、伸縮性のある素材と設計に基づいています。伸縮性がある柔軟な素材はゴムやプラスチックなどを使用することが多いです。これにより、管の長さの変化に対応することができます。

伸縮管継手の内部には、複数の畳み込みやリブが配置されています。これらの畳み込みやリブは、継手が伸び縮みする際に変形し、柔軟性を与える部品です。

伸縮管継手は、接続する2つの管やチューブの端部に取り付けられます。一方の端には内部のリブや畳み込みがあり、他方の端には外部のリブや畳み込みがあります。

伸縮管継手の種類

伸縮管継手はスリーブ型、ベローズ型、ベント型の3種類が代表的です。

1. スリーブ型

内部にスリーブ持つ継手です。スリーブは一方の端の管にスリップジョイント方式でスライドさせることが可能で、他方の端の管にはめ込まれます。伸縮性が高く、伸縮量に合わせてスリーブを調節することができます。

2. ベローズ型

蛇腹 (ベローズ) を持つ継手です。完全に密封されているため、漏れの恐れが少ない点が特徴です。ただし、伸縮の繰り返しによる疲労破壊の可能性があります。

効果的に動作させるためには両端に固定点を設ける必要があり、設置場所が限られています。また、固定点には、ベローズの変位によるバネ反力や内圧による静的推力がかかるため、相応の強度が必要です。

3. ベント型

曲げ可能な部分 (ベント) を持つ継手です。曲げ部分にはU字型、Ω型、ループ状などの形状があり、配管の伸縮・たわみ・ねじれを吸収します。

単純な構造をしているため、耐久力が強い点が特徴です。ただし、設置するのに大きなスペースが必要になります。

参考文献
https://www.technoflex.co.jp/business/metal/exp.html
https://www.nfk-jp.com/spec/bellows/

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