産業用PCとは
産業用PCは、産業の用途として使用されるPCのことです。ただし、オフィスで使用されるノートPC等を指すことは少なく、工場などの生産現場で使用されるPCを指します。
産業用PCの特徴としては、生産現場に設置することを考慮しているため、堅牢である事や、冗長化がなされていることなどが挙げられます。ただし、市販のPCよりも高価で、納期も長くかかるというデメリットがあります。
オフィス作業に対しては市販PCを使用し、生産現場の管理などには産業用PCを使用するなどして使い分けます。
産業用PCの使用用途
産業用PCは、生産現場の制御から日々の操業データの収集まで、幅広く使用されます。現代ではなくてはならない存在です。
一例としては、分散型制御システムの運転に使用する場合などが挙げられます。プロセス系工場では工場面積が広い場合が多く、全体のプロセスを見渡すことは困難です。そのため、操業の状態をリアルタイムで確認できるシステムが不可欠となりますが、現在は分散型制御システムを使用することが主流となっています。人が触るインターフェイスには産業用PCを使用されることが多くあります。
産業用PCの原理
産業用PCの動作原理は、基本的に市販PCと同じです。電源ユニット、マザーボード、CPU、GPU等からなります。
電源ユニットは、各機器に直流の電源を供給します。マザーボードのような電子部品にも、冷却ファンなどの駆動機械にも給電します。
CPUは、PCの演算を担うユニットです。CPUの性能によって演算速度が変化します。
GPUは、グラフィックに対する画像処理演算を担うユニットです。動画や画像処理の速度や滑らかさはGPUに起因します。
マザーボードは、これらの部品をまとめるユニットで、CPUとの相性で選定される場合が多いです。
また、産業用PCの場合は重要データを保存しているため、ほとんどの場合は無停電電源装置を使用します。無停電電源装置はバッテリーとサイリスタからなる機械装置です。商用電源が停電しても、一定時間AC100Vの電源を供給し続ける役割を担っています。無停電電源装置と産業用PCはシリアルやLANケーブルで接続されており、電源装置でも電源供給が困難な場合には、産業用PCを安全にシャットダウンするようにソフトを組みます。