軸流ファンとは
軸流ファンとはファンの種類の一つで、機器の冷却(クーリング)をする機器です。空気の流れは、回転する羽(プロペラ)の前から入り後ろへと出ていきます。回転軸に沿った空気の流れとなるため、軸流ファンと呼ばれます。ファンの種類は各種ありますが、回転軸に沿って空気を流すことが、他のファンとの違いです。
軸流ファンは、AC電源、DC電源どちらの電源タイプもありますが、回転数のコントロールが必要である場合には、DC電源タイプの軸流ファンであればPWM信号にて容易に制御することができます。
軸流ファンの使用用途
機器の冷却目的で軸流ファンは使用されています。具体的には、機器に搭載されているモーターやドライバー回路(基板)、マイコンなどを空冷し、熱による誤動作や破損を防止するために使用します。
コピー機やプリンターなど、主に用紙を扱う機器では、冷却以外の目的で使用されています。束の用紙に風をあてることにより、用紙を1枚ずつ取り出したり、ファンの空気を吸う力を利用して、紙を吸着して搬送したりします。プリント後のインクを乾燥する目的にも使用されます。
また、密閉された空間内で、内部の温度や湿度にむらがでないよう、空気を攪拌する用途や、排気する用途でも軸流ファンは使用されます。
軸流ファンの原理
軸流ファンは、筐体の中央部分に羽根(プロペラ)が配置され、羽を回転させることにより、風を羽の正面から後方へと吐き出します。軸流ファンは、騒音は低く高風量を得られますが、さらに高風量,高静圧,低騒音などの特徴を強化した各種ラインナップも豊富です。
軸流ファンは、2台直列につないだり、並列に並べたりして使用する事ができます。直列に並べて運転する場合は、風量は変わりませんが、静圧を上げることができます。並列に並べて運転する場合は、静圧は変わりませんが、風量を上げることが可能です。
冷却用途に使用する場合、吐き出しで使用するのか吸い込みで使用するかは、機器内の発熱する部品の数や位置で決める必要が有ります。また、空気中のホコリも考慮する必要があります。通常の環境で使用するときは、冷却時に空気中のホコリも循環されますので、特に基板などに直接風を当てていると、時間の経過とともにホコリが基板上にたまります。このような時は、必要に応じてフィルターを設置する検討を行います。
参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/axialfan_tg_j_3_2.pdf
https://techcompass.sanyodenki.com/jp/training/cooling/fan_basic/008/index.html
https://www.miw.co.jp/column/post-299/