台車

台車とは

台車

台車とは、製品や原材料などを運搬するために使用される装置です。

一般的に平板の下に車輪が付いており、その上に荷物を積載してハンドルを押して運搬可能です。

平版の上に荷物を積載すると手で持った場合より多くの荷物を運べて、一度動き出すと車輪と地面の間の抵抗が減少するためスムーズに動かせます。手押しの台車が一般的ですが、作業補助のための電動式の台車も一部存在します。

台車の使用用途

台車は比較的軽量な荷物の運搬用としてあらゆる場所で使用されています。

使用用途に応じて数種類の形状が存在し、最も一般的な台車は片側にハンドルが付いた片袖台車です。運送業界や小売業界などでは高積みして移動や保管をするボックス台車が多く用いられ、重量物の運搬には両側にハンドルの付いた両袖台車が利用されています。

一部の台車は押す以外にも重量物の運搬のためにフォークリフトなどで牽引する目的で作られています。

台車の原理

台車の挙動は物理学の運動方程式で説明できます。

荷物を載せて台車を押し始めても初めは車輪の接地面と地面の間に働く摩擦力によって静止したままです。加える力が始動抵抗力を超えると動き出し、動き出した後は静止摩擦力より動摩擦力が小さいため、より少ない力で操作可能です。始動抵抗力は車輪の接地面積に比例するため、変形の少ない堅い車輪を用いるほど抵抗力は減少し、大きな車輪を用いるほどトルクが増大して少ない力で動かせます。想定される用途に合わせて設計可能です。

台車では重い荷物の運搬が可能ですが、荷物を高く積み上げて重心が高くなると (目安はハンドルの高さ) 重心を中心とした回転モーメントが働き、使用場所の段差や傾きによって荷崩れや転倒の危険があります。想定される重量に応じて車輪のトレッドやホイールベースを設計し、傾斜地ではストッパー付き台車の使用が推奨されています。

台車の種類

台車には種類が複数あり、運搬に適した荷物も違います。

1. 手押し台車

手押し用のハンドルがある台車です。最も一般的な台車で、家庭用や業務用として荷物を多く運ぶ場合に適しています。ハンドルを折りたためる台車やハンドルが片側や両側に固定された台車など、複数のタイプがあります。

2. 平台車

手押し用のハンドルがない台車です。ハンドルが邪魔にならず、荷台面より大きい荷物を載せられます。手押し台車は運搬時の段差に弱いため大型の荷物が転倒しやすいですが、平台車は荷物を支えつつ移動するため転倒の心配が少ないです。荷物を載せた状態で一時保管でき、商品を載せたまま店頭に出すなどの利用方法もあります。

3. ラック式台車

荷台がラックのように段になった台車で、2段式台車や3段式台車とも呼ばれます。上下に分けて物を置けて、小さい荷物や運びにくい荷物を同時に複数運搬するときに向いています。荷台が分かれているため異なる複数の荷物を整理したまま載せられ、倉庫でのピッキング作業が容易です。

台車の構造

台車の荷台の構造や材質には複数あり、用途や予算に合わせて選択できます。

1. アルミ製台車

一般的な種類で、安価です。軽量で錆に強く、そのまま水で洗っても錆が生じません。同じ業務用でよく似た材質のステンレス製は、アルミ製よりも高価です。

2. 樹脂製台車

近年台車に使用されるケースが増えています。カラーバリエーションが豊富で、デザイン性が高いです。見た目も柔らかく、業務用や家庭用に適しています。荷台面は錆びないため水気が多い作業場で使用しやすく、水洗いが容易です。軽量ですが耐荷重はあまりなく移動時の音が小さいため、音が気になる家庭やオフィスで役立ちます。

3. 鉄製台車

溶接鉄骨構造で頑丈な鉄製は台車の荷台に使用される素材の中でもとくに衝撃に強いです。屋外の凸凹道や砂利道で台車のタイヤが取られることなく安定性を保てます。耐久性に優れ、重量物を運ぶ際にも壊れにくいです。

参考文献
https://www.894651.com/column/makers-001/
https://www.chubu-sangyo.co.jp/yougo/word03.html
https://www.chubu-sangyo.co.jp/techno/tech12.html
https://www.chubu-sangyo.co.jp/techno/tech06.html
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/754/

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