超音波洗浄

超音波洗浄とは

超音波とは、周波数が20キロヘルツ以上の空気の振動であり、人間には感じることができない音です。

超音波洗浄を行うためには液体中に材料を設置し、圧電素子(圧電セラミックス)を用いて超音波を照射します。

発生した超音波は液体中を高速で伝播し、材料の表面に到達するとキャビテーションと呼ばれる衝撃を発生します。

キャビテーションの泡が弾けるときの衝撃波が作用することにより、材料表面の異物を脱離させることができます。

超音波洗浄の使用用途

超音波洗浄は材料表面の微細なゴミを除去できることから、様々な場面で活躍しています。

例えば、半導体産業ではICやトランジスタ、ダイオードなどの表面についた粒子やエッチング液などを取り除くために使用されます。

電子機器産業では、プリント板やコンデンサ、各種の電極、コネクターなど多岐に渡り、付着したフラックスや切削油、研磨剤などを除去します。

また光学機器産業では、精密な製品を扱うことが多いことから、レンズやプリズム、光ファイバーなどに付着したホコリや指紋などを除去することを目的とした使用例もあります。

超音波洗浄の原理

超音波洗浄のメカニズムは完全に解明されていない点もありますが、その効果に寄与する可能性としてキャビテーションの発生による衝撃作用、あるいはラジカルによる化学作用などが考えられています。

超音波によるラジカルの生成は報告されていますが、その量は少なく、洗浄に寄与するほど顕著なものではありません。したがって現在は、キャビテーションによる衝撃作用が最も有力視されています。

キャビテーションとは、流体の中で急激な圧力差が生じたときに泡の発生と消滅が短時間に起こる現象です。

液体中で大きな圧力差が生じることで気泡を取り囲む溶液が瞬間的に沸騰し、気泡が収縮することで気泡が破壊されます。このとき局所的ながらも強い圧力波が生成します。

この現象が材料の表面付近で発生すると、表面の付着物が圧力波によって押し出されます。
そして気泡が破裂した際に液体が入り込むことにより、剥離した汚れが液体中に分散していきます。

さらに洗浄力を高めるためには、酸性系洗浄剤、中性系洗浄剤、アルカリ性洗浄剤といった異なるpHの溶媒を選択します。
化学的作用によって積極的に付着物を剥離させることが可能です。

参考文献
http://www.honda-el.co.jp/product/industry/document/about_washing_machine/cleaner_genri
https://senjyou.jp/ultrasonic-cleansing

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