カッティングプロッタ

カッティングプロッタとは

カッティングプロッタは、シート状の素材を精密にカットする機械です。

PC上で作成されたベクターデータを「カットパス」として読み込み、そのデジタルデータに沿って専用の刃 (カッター) が素材を物理的に裁断します。これにより、複雑な形状や精密なデザインも忠実に再現可能で、店舗サイン、シール、精密部品の加工などに使用されます。

主な機能として、素材表面のみをカットし台紙を残す「半切り (ハーフカット) 」があり、これはシールやラベル、ステッカー製造で多用されます。また、素材を完全に切り離す「全カット」にも対応します。さらに、機種によっては、紙に折り目を付けるスジ入れ機能や、手で簡単に切り離せるようにするミシン目加工機能も備えており、加工の幅を広げます。

カッティングプロッタの使用用途

カッティングプロッタは、様々な業種で利用されています。下記はその一例です。

1. サイン・ディスプレイ・広告業界

大型看板・ビルボード製作: 屋外広告塔やビルの壁面装飾に使用される大型シートの文字、ロゴ、グラフィックを精密にカットします。耐候性や耐久性が求められる素材の加工に不可欠です。

また、LEDサイン・チャンネル文字: 発光するサインのベースとなるアクリル板や金属板の切り抜き、および発光部分のフィルムカットに活用されます。

2. 自動車・航空機・船舶業界

内装材・外装材のカット: 車両の内装材や外装フィルムに使われる素材を、複雑な形状に精密にカットします。

3. 電子部品・精密機器業界

回路基板の絶縁シート・フレキシブル基板の加工: 精密な電子部品の絶縁材やフレキシブルプリント基板の材料を、微細なパターンでカットします。

カッティングプロッタの原理

材料に刃物を押し付けながら、刃物もしくは材料を動かすことによって、材料を任意の形に切り出せます。X軸とY軸の座標を正確に制御して刃物もしく材料を動かせますが、座標補正も時には必要です。

また、きれいに材料を切り出すには、刃物の材料や刃物を押し付ける強さや速さ、移動速度などの条件をそれぞれの材料に適したものにする必要があります。刃物を使用して材料を切り出すため、刃物は消耗品です。

定期的に交換する必要があります。刃物の受けになるマットも同時に消耗し、品質に影響を与えるので同様に交換が必要です。

カッティングプロッタの種類

カッティングプロッタは、その駆動方式やカット方式によって様々な種類に分けられます。下記では主にシート供給方式について説明します。

1. ロール式

ロール状のシート素材を送り出し、プロッタがその上をヘッドで移動しながらカットする方式です。長尺の素材を連続してカットするのに適しており、看板製作やアパレル、カーラッピングなどで広く利用されます。

ロール式のカッティングプロッタでは、摩擦力によってシートを送る「摩擦式」が一般的ですが、シートの縁に開けられた等間隔の穴に、スプロケット (歯車) が噛み合うことで、素材を物理的に引っ張り、長尺の素材であっても非常に高い精度でズレなく搬送できるスプロケット式があります。

2. フラットベッド式

シート状の素材を平らなベッドに固定し、その上をヘッドが縦横に移動しながらカットする方式です。厚手の素材や硬い素材、シート状ではない素材 (段ボール、アクリル板など) のカットに適し、ロール式に比べてカットできるサイズは限られますが、高い精度と安定したカットが可能です。試作品製作やパッケージ、模型製作などで使用されます。

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