カッティングプロッタとは
カッティングプロッタとは、シート状のものをカットする機械です。
ドロー系のソフト (お絵描き系のソフト) で描画した線のデータをカットパスとして、データに沿ってカットします。一般的には、半切り用途でも使用されることが多いです。
シール材料のシートを使用し、半切りすることで任意の形状のシールやステッカーを作成できます。機種によってはカットや半切りに加え、紙に折り目を付けるスジ入れや、ミシン目の加工をすることも可能です。
また、スキャナで紙に書かれた線や絵を読取り、そこからカットパスを自動で生成して簡単に編集したりできる機種もあります。
カッティングプロッタの使用用途
カッティングプロッタは、看板やポスターなどのサイン用途、店内用のポップの切り抜きなどに使用されます。剥離紙のついたシール用のシートは、半抜でシール形状の抜き加工にも使用されます。
カッティングプロッタは自由な形状に切り抜けますが、処理スピードは速くないため、大量生産には不向きです。アパレル業界では、衣類の開発段階などで各パーツをカッティングプロッタで紙を切り出して使用することもあり、特別な仕様のカッティングプロッタも増加傾向です。
インクジェットプリンターとカッティングプロッタが一体となっている機種も多くあります。ロール状のメディアをセットし、プリントを行い、その下流でカッティング加工を行います。プリントと切り抜き加工を一度で済ませられるため、非常に効率的です。
カッティングプロッタは布材料のカットも可能であるため、服飾の切り抜き用途でも使用されます。
カッティングプロッタの原理
材料に刃物を押し付けながら、刃物もしくは材料を動かすことによって、材料を任意の形に切り出せます。X軸とY軸の座標を正確に制御して刃物もしく材料を動かせますが、座標補正も時には必要です。
また、きれいに材料を切り出すには、刃物の材料や刃物を押し付ける強さや速さ、移動速度などの条件をそれぞれの材料に適したものにする必要があります。刃物を使用して材料を切り出すため、刃物は消耗品です。
定期的に交換する必要があります。刃物の受けになるマットも同時に消耗し、品質に影響を与えるので同様に交換が必要です。
カッティングプロッタの種類
カッティングプロッタは2種類に大別することができます。1つは刃物がX方向のみ移動し、切断する材料をY方向に搬送するタイプで、グリッドローリングタイプと呼ばれます。
もう1つは、切断する材料を固定しておき、刃物がX-Y 両方向に移動するタイプです。テーブルタイプまたはフラットベッドタイプと呼ばれます。
1. グリッドローリングタイプ
グリッドローリングタイプは、カッティング時に切断する材料を前後に動作させながら刃を左右に動作させます。装置を小型化できるのが特徴で、卓上における小型の機器も多数あります。
このタイプで抜きの加工をする場合は、専用の粘着性のあるマットに材料を貼り付けなければなりません。材料を前後に送りながらカッティングをするため、切り離されてしまうと搬送できなくなるからです。
カッティングに使用する材料は巻かれた状態でセットすることが多く、小型であるにも関わらず長い材料を一度に切り出すことができます。
2. テーブルタイプ
テーブルタイプのカッティングプロッタは、テーブルに無数の小さな穴が開いており、真空ファンなどで材料を吸着して固定します。そして、カッターがX-Y方向に移動して任意の形状に加工を行います。
テーブルタイプのカッティングプロッタは、商業用や産業用など、さらに種類があります。用紙への折り目を付ける筋入れツール、レーザーカット用のツール、刃物に振動を与えて厚手の材料を切るツールなど、ツールも多いです。
グリッドローリングタイプに比べて、厚い材料を切り出せますが、作業時間が長くなってしまう傾向があります。
参考文献
https://japan.mimaki.com/product/cutting/
https://www.trade-sign.com/magazine/1651/