コンタクトプローブ

コンタクトプローブとはコンタクトプローブ

コンタクトプローブとは、電気的な接合部がバネで収縮する構造をしており、電気的な導通を得るための通電プローブのことです。

探針やオルガンコンタクト等と呼称される場合もあります。例えば、測定などの場合に電気的な導通をさせるために金属部同士を当てた場合、その金属同士はある程度の力で接触していないと電気的な接続が不安定になり、正確な接続を得ることができません。

コンタクトプローブは、接合部をバネで摺動させる構造とすることで電気的な接続をバネの押し圧力で接触させ、電気的な接続を安定させるようにしたプローブです。

コンタクトプローブの使用用途

コンタクトプローブは、電子部品やプリント基板などの導通検査や通電検査などに使用されます。電子部品やプリント基板などを生産するにあたり、品質の向上のために生産工程の中に導通検査や通電検査が組み込まれることがあります。

そのような場合は、検査対象となる電子部品やプリント基板の任意の場所に電圧を掛けたり電流を流したりすることが必要です。また、半田付けやコネクタによる接続を不要とし、簡単に脱着したい場合にコンタクトプローブが使用されます。

コンタクトプローブは、接触部の形状や太さ、バネの圧力や摺動ストロークなどが選べることが多く、接触させる相手の材質や形状、流す電流の大きさなどに応じて適切な物を選ぶことが大切です。

コンタクトプローブの原理

コンタクトプローブは、ハサミ機と呼ばれる検査機やICT (In-circuit Tester) と呼ばれる検査機で使用され、それらの検査機にはピンボードと呼ばれる物が使われています。ピンボードは、コンタクトプローブ専用のソケットが用意されているので、これを厚さ10mm程度の樹脂の板に検査対象の接続位置に合わせた位置に穴を開けて取り付けて電気配線を施し、ソケットにコンタクトプローブを差し込んだ構造をしています。

ハサミ機と呼ばれる検査機やICT (In-circuit Tester) と呼ばれる検査機は、ピンボードを垂直に上下させる機構を備えているため、検査対象をピンボードで挟み込むことで検査対象箇所にコンタクトプローブを当てて、電気的な通電検査を行うことが可能です。

コンタクトプローブの構造

コンタクトプローブは、先端にある電気的な接合部であるプランジャ、固定する本体となるパイプ (ないしバレル) 、パイプの中にあるバネで構成されます。また、コンタクトプローブには専用のソケットが用意されているのでソケットを固定して配線することで、コンタクトプローブが消耗した際にプローブのみを交換することが可能になります。

コンタクトプローブの選び方

コンタクトプローブの選定は主に、大きさ、ストローク、針圧力、先端形状の4つの要素で選定します。

1. 大きさ

大きさは、プローブを当てる場所の密度や流す電流の大きさなどの条件で選定します。

2. ストローク

ストロークは、機器のピンボードなどを上下させる機構の移動量や検査対象の位置や高さなどの条件で選定しますが、概ね摺動量が全ストロークの2/3程度になるような物を選定するのが好ましいです。

3. 針圧力

針圧力はバネの力のことで、コンタクトプローブの本数や機器のピンボードなどを上下させる機構に加えられる力などを考慮して選定します。例えば、機構が出せる力が5kgfだとして100本のプローブが備わったピンボードを扱うには、1本当たりの針圧力 (バネ力) を50g以下の物を選定しないと、機器が正常に動作しません。

4. 先端形状

先端形状は、コンタクトプローブを当てる相手の材質や大きさや形や流す電流などに適したものを選定します。

コンタクトプローブのその他情報

テストパッドの準備

検査対象となる機器で予め生産工程上で通電検査をする見込みがある物を設計する場合、回路設計時に測定ポイントを想定しておくことをおすすめします。プリント基板を設計する際に、コンタクトプローブを当てるためのテスタパッドを織り込むことで、コンタクトプローブを当てやすくなったり狹ピッチの部品からの信号でも取り出しやすくなったりするためです。

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